NHK連続テレビ小説「舞いあがれ」より。長年交際を続けてきた医師・八神蓮太郎との婚約を友人たちに公表した望月久留美でしたが、両家の格差問題などにより結婚に暗雲が立ち込めています。
この記事では、にわかに盛り上がり始めている久留美と悠人がお似合いだという説に着目し、これまでのストーリー上で見られた「久留美と悠人の恋愛・結婚フラグ(伏線)」をまとめてみます。一部今後のネタバレを含みますのでご注意下さい。
伏線① 模型飛行機のお披露目会 悠人が久留美の飛行機を見つめていた?
そもそも久留美と悠人は、小学生時代からの顔見知りです。
第15回で描かれた「模型飛行機のお披露目会」の際には、悠人が舞や久留美を遠くから嬉しそうに見守る姿が描かれています。
このお披露目会のシーンの直前、舞は悠人をお披露目会に誘いましたが、悠人は勉強が大事、遊んでる暇なんかないと言って参加を断固拒否しています。そんな悠人に対し、舞は「おばあちゃんがな、どんな向かい風にも負けんと強くなれって」「あたし、お兄ちゃんも応援してんで」と伝えています。
思いもよらぬ舞の言葉に珍しく嬉しそうな表情を見せた悠人。このシーンの直後には、父・佳晴のお披露目会への来場を心待ちにしている久留美が「来てくれるかな…」と発言しています。もちろんこの「来てくれるかな…」は佳晴に対して向けられた言葉なのですが、悠人の嬉しそうな表情の直後のシーンで久留美に「来てくれるかな…」というセリフを言わせているのも、悠人に対するちょっとした伏線に見えなくもありません。
舞の言葉に心が動いたのか、悠人はお披露目会にこっそりと来場。舞と久留美が飛ばす模型飛行機を遠くから嬉しそうに眺めています。
少しうがった見方になりますが、この時の悠人の視線が心なしか久留美に向いている気が(笑)。向かい風に負けず力強く飛ぶ久留美の模型飛行機を悠人が温かく見守っていた…、そんな伏線のシーンにも思えてしまいます。※そして、舞の模型飛行機も貴司が見守っているんですよね…。
少女時代の舞は家族団らんの場で嬉しそうに久留美のことを話していたようで、模型飛行機のお披露目会の際には、めぐみが初対面の久留美に対し「こんにちは。久留美ちゃん?舞からよう話 聞いてんねんよ」と優しく声を掛けています(第15回)。これが将来の嫁姑の初対面だったのだとすれば、素敵なシーンですよね。
▼もし久留美と悠人が結婚するのであれば、第15回の「模型飛行機お披露目会のシーン」はとても重要なものとなります。NHKオンデマンドでもう一度見られますので、ぜひ。
伏線②ノーサイドで出会い頭にぶつかる 少女マンガ的?
次なる二人の伏線は、第43回で描かれています。
喫茶ノーサイドでたまたま居合わせた久留美と悠人が出会い頭にぶつかり、久留美が教科書を落としてしまうという少女マンガのようなシーンです。二人が再会したこのシーンにおいて、意味ありげな会話が交わされていますので以下に抜粋。
・ぶつかった久留美を見て「あ、舞の友達の…なんやったっけ?」と一瞬誰だかわからない悠人。
・(髪を切ったばかりの)久留美を見て「せやせや、久留美ちゃんや。なんか雰囲気変わったな」とつぶやく悠人と、一瞬照れ気味に髪の毛を触る久留美。
・悠人が会社を辞めて投資家になったと聞き驚く久留美。
・久留美が救命救急の看護師になったと聞き、「はあー、まったキッツイ仕事選ぶねんなあ」「給料安いんちゃうん?」「俺に金預けてくれたら、何倍にも出来るで」と悠人。それを聞いて露骨に顔をしかめて店を去る久留美。
※この出来事の直前、ケータイで舞にメールを送っていた久留美を見て、ノーサイドのママが「誰?彼氏??」と発言しています。悠人と再会する直前のシーンでこのやり取りを描いたのも、なんだか意味深です。
飛ぶ鳥を落とす勢いで金を稼いでいる浮世稼業の悠人と、お金に苦労した末に堅実な仕事に就いた久留美。
職業観やお金に対する価値観が180度違う「水と油」の二人が反発し合うシーンですが、ドラマにありがちな反発→恋というルートをたどるのか気になるところです。
伏線③うめづで久留美が婚約発表 悠人が居合わせる
八神からプロポーズされ、舞いあがる気持ちのまま仲間うちに婚約報告(@うめづ)を行った久留美。この婚約発表の席に、偶然東大阪に立ち寄っていた悠人が居合わせています(第82回)。
この席において、一見好青年風ながら軽薄かつデリカシーのない発言を繰り返す八神と、口と態度は悪いが行動の根底に優しさが隠れている悠人の対照的な人間性が浮き彫りになっています。
この婚約発表の後、悠人にはあるトラブル(インサイダー取引疑惑浮上)が報じられ、久留美も高慢な八神母に深く傷つけられるという辛い日々がやって来るようです。
悠人にとっても久留美にとっても人生の岐路となりそうなタイミングで二人が偶然同席する、というのは何かしら意味がありそうに思えます。
伏線④八神母、ノーサイドを「こんな店」呼ばわり 悠人はなんだかんだ愛用
八神家と望月家の顔合わせの席で、八神の母・圭子から父の存在を全否定され、婚約をなかったことにしてほしいと告げられてしまった久留美(第83回)。
久留美と佳晴に対し格差を理由にキツイ言葉を浴びせ続けた圭子ですが、中でも喫茶ノーサイドのことを「そもそもこんな店で顔合わせなんて非常識でしょ」と表現していたことは致命的かと思います。※前日の放送で息子の蓮太郎もうめづを「こんなところ」と発言し雪乃(貴司の母)に怒られています。
舞や久留美が大切にしているうめづやノーサイドという場所を見下して否定してしまうのは、結婚相手の態度としては致命的かと思います。
一方の悠人は、岩倉家に対してわだかまりはあるものの、帰阪した際にはうめづやノーサイドに足繁く立ち寄るなど、なんだかんだ東大阪の街を愛している様子。
ノーサイドは、久留美と悠人が少女マンガ的にぶつかって教科書を落としたいわば「運命の場所」。そんな大切な場所のことを圭子が「こんな店」と否定してしまったことに、何らかの伏線を感じます。
伏線⑤行き倒れの悠人を久留美が看病→お礼に「うめづのお好み焼き」
第19週では、インサイダー取引疑惑が発覚して公園で行き倒れた悠人を佳晴が助け、久留美が看病するという新展開が描かれています。
これまですべてを自分で背負い込み、家族に頼ることを良しとしなかった悠人。そんな悠人を、頼れる家族すらいなかった久留美が一喝することになります。ずっと対極的な遠い位置にあった二人が、ついにここで大きな接点を持つことになります。
体調が回復した悠人は喫茶ノーサイドで望月親子に手厚く感謝を述べますが、その際、悠人は久留美へのお礼として「うめづのお好み焼き」を持参しています(※袋の中のお好み焼きを見た久留美が心から嬉しそうな顔を見せています)。
八神親子が「こんなところ」「こんな店」と無意識に見下していたノーサイドやうめづですが、久留美にとってはとても大切な場所です。悠人からのお礼が「うめづのお好み焼き」だったというのは、「久留美と悠人が同じ世界(価値観の中)に生きている」という証しとも考えられます。
八神医師が久留美に渡した「サンドイッチ」と、悠人が久留美に渡した「お好み焼き」はストーリー上、対になっているアイテムかもしれません。
その後も頻繁に鉢合わせる久留美と悠人
この行き倒れ事件以来、久留美と悠人はたびたびバッタリと顔を合わせるシーンが増えています。
第106回では岩倉家で五島の魚介類をご馳走になった久留美が「うめづ」から出てきた悠人とバッタリ。そのまま二人は公園に向かい、会話をしています。
以前は悠人の投資業に眉をひそめていた久留美ですが、いつしかその仕事ぶりを「かっこいいですね」と褒めるまでに。第23週あたりで本格的に二人の仲が進展していきそうです。