NHK連続テレビ小説「ひよっこ」(主演:有村架純)は2017年に初回放送が行われ、みずみずしい青春群像劇と懐かしい昭和の雰囲気により人気となった名作朝ドラです。
また、多くの駆け出し俳優が「ひよっこ」出演をキッカケにブレイクを果たしており、若手俳優の登竜門的な作品としても知られます。
2026年8月から行われるアンコール放送に合わせ、「ひよっこ」出演後に大きな飛躍を遂げた俳優のその後をまとめます。
※各俳優の年齢は2017年8月、2026年8月現在のもの。
伊藤沙莉(米屋の娘・安部さおり役)→「虎に翼」「シッコウ!!」「ミステリと言う勿れ」「紅白司会」
「ひよっこ」に出演した若手俳優のうち、もっとも大きな飛躍を見せたのが伊藤沙莉(当時23歳、現在32歳)です。
伊藤沙莉が「ひよっこ」で演じたのは、東京日本橋「安部米店」の一人娘・安部さおり役(後に本名が安部米子であることが判明)。「安部米店」はヒロインの幼なじみである角谷三男(泉澤祐希)が上京後に住み込みで就職した老舗米店です。
ストーリー的にはサブキャラクターであった安部さおりですが、三男に対する情熱的でややこしい愛情表現の数々が話題に。そのコミカルで強烈なキャラクターはまたたく間に人気となり、物語後半ではドラマの名物キャラクターとなりました。ドラマ「トランジットガールズ」でW主演を務めた佐久間由衣(「ひよっこ」ではヒロインの親友・助川時子役で出演)との再共演も話題になっています。
▷その後の伊藤沙莉は?
もともと子役として「14ヶ月〜妻が子供に還っていく〜」「女王の教室」など数々の人気ドラマに出演し、「ひよっこ」出演時点でも「トランジットガールズ」「その「おこだわり」、私にもくれよ!!」などの主演により実力派若手俳優として認知されていた伊藤沙莉。
「ひよっこ」出演後にはオファーが殺到し、人気ドラマ「この世界の片隅に」「これは経費で落ちません!」などに出演。「いいね!光源氏くん」「ミステリと言う勿れ」「シッコウ!!〜犬と私と執行官〜」でヒロイン、主演を演じるなど大きな飛躍を見せると、2024年のNHK連続テレビ小説「虎に翼」ではヒロイン・猪爪寅子役に大抜擢。「虎に翼」は多数の賞を受賞するなど大成功を収め、伊藤沙莉は同年末の「第75回NHK紅白歌合戦」で司会を担当。他にも多数の映画で映画賞を受賞するなど、一躍日本のトップ俳優へとのぼりつめています。
松本穂香(同僚・青天目澄子役)→「この世界の片隅に」「ミワさんなりすます」「嘘解きレトリック」
「ひよっこ」出演当時の知名度の低さからのブレイク合いでは、松本穂香(当時20歳、現在29歳)がもっとも飛躍した俳優と言えそうです。
松本穂香が「ひよっこ」で演じたのは、ヒロインのみね子が就職した向島電機・乙女寮で同室となった福島出身のメガネ娘・青天目澄子役でした。
父親の再婚により居場所がなくなり中卒の「金の卵」として上京した澄子は、みね子ら年上の工員たちに可愛がられながら少しずつ成長。鈍臭い田舎娘の妹キャラ・澄子は、好評だった乙女寮時代の青春ストーリーの中でも特に人気のキャラクターでした。
当時、松本穂香はほぼ無名の新人でしたので、この可愛いメガネっ娘は誰?とネット上でも話題になっています。
▷その後の松本穂香は?
「ひよっこ」の前年に同じ事務所の姉貴分・有村架純に従う形で出演した「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」で、ドラマデビューを飾ったばかりだった松本穂香。
「ひよっこ」出演後は人気俳優のルートに乗り、2018年には日曜劇場「この世界の片隅に」の主演に大抜擢。その後もドラマ「ミワさんなりすます」「嘘解きレトリック」「50分間の恋人」や映画「みをつくし料理帖」「君が世界のはじまり」などで次々と主演を務め、売れっ子の俳優となっています。auのCM「意識高すぎ!高杉くん」にも長年出演し、お茶の間でもお馴染みの顔に。2026年秋のNHK連続テレビ小説「ブラッサム」ではヒロインの幼なじみ役での出演が決定。「ひよっこ」以来9年ぶりの朝ドラ出演となります。
磯村勇斗(コック・前田秀俊役)→「今日から俺は!!」「劇場版 きのう何食べた?」「不適切にもほどがある!」
「ひよっこ」で赤坂の洋食屋・すずふり亭のコック「ヒデ」こと前田秀俊役を演じた磯村勇斗(当時24歳、現在33歳)。
すずふり亭で働き始めたヒロインのみね子は、職場の先輩であるヒデと信頼関係を築いていき、やがて互いに意識し合う関係になっていきます。
「ひよっこ」出演当時の磯村勇斗は「仮面ライダーゴースト」への出演で知られていましたが、まだまだ駆け出しの若手俳優でした。
▷その後の磯村勇斗は?
「ひよっこ」への出演後、人気ドラマ「SUITS/スーツ」「今日から俺は!!」「サ道」「青天を衝け」「不適切にもほどがある!」などに続々と出演。悪役からおバカなヤンキー役まで幅広い役柄を演じ分け、コメディ俳優、バイプレイヤーとしての才能も開花しています。映画「ヤクザと家族 The Family」「劇場版 きのう何食べた?」で第45回日本アカデミー賞 新人俳優賞、「月」で第47回 日本アカデミー賞 最優秀助演男優賞を受賞するなど、世代を代表する俳優になっています。
佐久間由衣(親友・助川時子役)→「チア☆ダン」「ひきこもり先生」「らんまん」
若手俳優の登竜門的なポジションである「朝ドラヒロインの親友役」(助川時子役)として「ひよっこ」に出演した佐久間由衣(当時22歳、現在31歳)。
当時の佐久間由衣はファッション誌「ViVi」の専属モデルとして活躍した経験を持ってしましたが、映像作品は伊藤沙莉とのW主演となった「トランジットガールズ」など数作品に出演した程度で、俳優としては未知数の存在でした。
「ひよっこ」で演じた助川時子役は長身でオシャレで華がありながら、どこか不器用でネガティブな一面を持った女性。東京で女優になるという大きな夢を持ち、挫折を経て成長していきます。
▷その後の佐久間由衣は?
ヒロインの親友・時子役を確かな存在感で演じきった佐久間由衣。
その後に俳優としての仕事も軌道に乗り、ドラマ「チア☆ダン」「ひきこもり先生」「オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ」「最愛」「おいハンサム!!」や映画「あの日のオルガン」「君は永遠にそいつらより若い」などに出演。私生活でも俳優の綾野剛と結婚し、話題となっています。
竹内涼真(御曹司・島谷純一郎役)→「ブラックペアン」「テセウスの船」「じゃあ、あんたが作ってみろよ」
今やトップ俳優の一人となっている竹内涼真(当時24歳、現在33歳)。「ひよっこ」では佐賀の大企業の御曹司である慶應ボーイ・島谷純一郎役を演じ、みね子と恋仲になる重要キャラクターを演じています。
2017年当時の竹内涼真は、ドラマ「仮面ライダードライブ(主演)」や「下町ロケット」などに出演するなど若手のホープといえる期待の俳優でした。
▷その後の竹内涼真は?
「ひよっこ」で朝ドラ初出演(その後に朝ドラ出演はなし)を果たした竹内涼真。その後もドラマ「過保護のカホコ」「陸王」「ブラックペアン」「テセウスの船(主演)」「六本木クラス(主演)」などに次々と出演し、順調に日本のトップ俳優へと成長。2025年にはドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ(W主演)」でモラハラ男役を怪演し、SNSなどで大きな話題となっている。
岡山天音(漫画家・新田啓輔役)→「愛の病」「ひらやすみ」「べらぼう」
「ひよっこ」であかね荘に住む貧乏漫画家・新田啓輔役をコミカルに演じた岡山天音(当時23歳、現在32歳)。漫画家の聖地だったトキワ荘を連想させる、売れない漫画家の青春模様が演じられています。
「中学生日記」などに出演するなど子役として活動をスタートさせていた岡山天音は、「ひよっこ」が放送された2017年前後から実力派俳優として大きな飛躍を見せています。
▷その後の岡山天音は?
子役時代から数々の映像作品に出演経験があった岡山天音。「ひよっこ」と同年に公開された映画「ポエトリーエンジェル」で第32回高崎映画祭 最優秀新人男優賞を受賞すると、映画「愛の病」「王様になれ(主演)」「キングダム」シリーズ、ドラマ「同期のサクラ」「どうせ死ぬなら、パリで死のう。(主演)」「冬のなんかさ、春のなんかね」などの人気作に次々と出演。
2026年のNHK大河ドラマ「「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」で演じた愛すべき戯作者・恋川春町役が人気となると、NHK夜ドラ「ひらやすみ」では独特のゆるい世界観をもって主演のフリーター青年役を演じ、ドラマのヒットに貢献しています。
井之脇海(コーラス部指揮者・高島雄大役)→「義母と娘のブルース」「べらぼう」
今や人気ドラマに欠かせない存在となった俳優・井之脇海(当時21歳、現在30歳)。岡山天音と同様に子役出身で、「ひよっこ」出演を経て人気俳優へと成長しています。
「ひよっこ」では向島電機・乙女寮に出入りしコーラス部を指導する青年・高島雄大役を演じ、婚約者である幸子に対し煮えきらない態度を見せるなど味わい深い演技を見せています。
▷その後の井之脇海は?
子役時代に映画「トウキョウソナタ」に出演し、12歳にしてキネマ旬報ベスト・テン新人男優賞を受賞し、朝ドラ「ごちそうさん」でヒロインの弟役を演じるなど、早くから実力の片鱗を見せていた井之脇海。「ひよっこ」出演以降、「おんな城主 直虎」「義母と娘のブルース」「集団左遷!!」「ちむどんどん」「クロサギ」などに次々と出演。2026年のNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」では遊女と駆け落ちをする小田新之助役を好演するなど名脇役としての地位を確立。根強い人気を持つ俳優へと成長している。
前原瑞樹(優子の夫役)→「らんまん」「ばけばけ」「海に眠るダイヤモンド」
「ひよっこ」出演当時はほぼ無名の俳優でわずかな出演ながら、その後に名脇役としての地位を確立したのが、前原瑞樹(当時24歳、現在33歳)です。
前原瑞樹が「ひよっこ」で演じたのは、乙女寮の一員・優子の初恋の人で結婚相手となる秋田の水産物の加工工場の息子役。役名がないほどの小さな役でした。
▷その後の前原瑞樹は?
「ひよっこ」出演後、ドラマ「伝説のお母さん」「ザ・トラベルナース」「風間公親-教場0-」などに出演し経験を重ねていった前原瑞樹。2023年の朝ドラ「舞いあがれ!」で謎の彼氏「むっちゃん」役を演じて話題になると、翌年の朝ドラ「らんまん」では主人公の植物研究仲間・藤丸次郎役で長期出演。「ばけばけ」では借金取り役を演じるなど朝ドラの常連に。ほかにも「海に眠るダイヤモンド」「じゃあ、あんたが作ってみろよ」「豊臣兄弟!」に出演。名バイプレーヤーの道を歩んでいる。