2014年9月1日(月)放送のNHK連続テレビ小説「花子とアン」より。売れっ子作家・宇田川満代先生(山田真歩)が「ペン部隊」として従軍し、「お国のために」記事を書くことになりました。
宇田川先生によって安東かよ(黒木華)が経営するカフェ「タイム」に集められた宮本蓮子(仲間由紀恵)、醍醐亜矢子(高梨臨)、村岡花子(吉高由里子)ら女流作家たち。
そこで発表されたのが、宇田川満代が「ペン部隊」として激化しつつある日中戦争の戦地に赴くということ。宇田川満代は自身の文学の才を今度は国威発揚のために使うことを決意したのです。
ペン部隊とは
この「ペン部隊」はいわゆる「従軍記者」のことであり、軍と行動を供にし、戦況を伝える記事を書く任務にあたります。時として戦闘に巻き込まれ死亡する場合もある、危険な任務です。
日中戦争の当時、村岡花子と親しい林芙美子、吉屋信子ら女流作家も「ペン部隊」として戦地に赴きました。情報局の指示により、やがて花子も所属した「女流文学者会」も「日本文学報国会」に組み込まれ、文芸文化が戦意高揚の一翼を担うようになっていきます。
長谷部汀が仲介役 女性の社会進出を願っていたが…
「花子とアン」では大物作家・長谷部汀(はせべなぎさ=藤真利子)が「ペン部隊」の旗ふり役となります。長谷部汀はこれまで女性の社会進出や婦人参政権を求める活動に従事して来ており、そうした考えに花子や蓮子らも賛同していました。
しかし戦争が本格化すると、長谷部の活動が「女性もお国の一員として戦いに貢献するべき」という方向性にシフトしていき、戦地に女流作家を送り込む窓口のような役割を担っていきます。
こうした長谷部の考えに賛同する宇田川満代、醍醐亜矢子に対し、宮本蓮子は「なぜ皆さん、ああやってひとつになれるのでしょうか」「ついていけない」と明確に嫌悪感を示します。花子も「子供たちの夢を守りたい」との理由でやんわりと長谷部の考えを拒否。次第に女流作家たちの間に距離が出来ていきます。