大河ドラマ「麒麟がくる」タイトルの意味は?

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NHK大河ドラマ「麒麟がくる」のタイトルの意味をまとめます。主人公である明智光秀のたどる人生が、「麒麟(きりん)」の存在とリンクしていきます。

※この記事では、伝説上の霊獣を「麒麟」、実在する愛らしい首長の草食動物を「キリン」と分けて表記しています。

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目次

善政を行う王の頭上に出現「麒麟」


▲イラスト:シメノシロー

タイトルになっている「麒麟」ですが、中国神話に現れる伝説の聖なる霊獣「麒麟(チーリン=qílín)」が由来となっています。

霊獣「麒麟」は、王が仁のある政治(善き政治)を行う時に必ず頭上に現れるとされました。このいわれが、ドラマタイトル「麒麟がくる」の由来です。

大雑把に言ってしまえば「麒麟がくる」の物語は、苦しく過酷な戦国の世を終わらせる「王」は誰なのか、そして戦いの末に人々の頭上に麒麟(平和)は現れるのか、その顛末を描いていくということです。

ドラマでは希望の象徴として、この麒麟のモチーフが繰り返し登場します。

▼麒麟を連れてくるのは光秀か、はたまた信長、秀吉、家康か。

ドラマは「麒麟の出現」を根底のテーマとし、歴戦の戦国武将たちの姿が描かれていきます。

特に、戦いに明け暮れた末に武士としての本分に悩むことになる主人公・明智光秀(長谷川博己)の視点を基軸にして、戦火に苦しむ庶民の姿なども描写。知られざる光秀の前半生にスポットライトを当てながら、世紀の下剋上である本能寺の変へと至る光秀の心情の変化や動機づけを描いていきます。

領地で善政を行ったことで知られる光秀の人生の軌跡が、果たして麒麟の出現、新時代の到来へと結実するのか。あるいは「三日天下」で消え去った無駄死にの人生となってしまうのか…。光秀の人生の再解釈が楽しみです。

▼こちらは三才図会に描かれた麒麟の姿(明時代・1609年)。画像はWikipediaより転載。パブリックドメイン。

以下、伝説の霊獣「麒麟」について、そして実在の動物「キリン」との関係などについてまとめます。

中国神話の霊獣「麒麟」 キリンビールのモチーフ

▼日本が誇る「キリンビール」のシンボル「聖獣麒麟」も中国の霊獣・麒麟がモチーフ。

「麒麟(チーリン=qílín)」は中国神話に登場する伝説の霊獣であり、もちろん実在はしません。

麒麟は、鳳凰・霊亀・応竜と共に「四霊」と称されています。姿形は鹿に、顔は龍に似ており、牛のような尾と一本角を持ち、背丈は5mもあるとか。

こうした見た目とは裏腹に麒麟の性格はとても穏やかで、足元にいる虫や植物を踏むことさえ嫌がるとのこと。仁徳、思いやりをもった動物「仁獣(じんじゅう)」として知られます。

前述のように王が仁のある政治を行う時には必ず麒麟が頭上に現れるとされ、中国神話の世界観の中では麒麟は百獣の長、獣の中の王者という位置づけでもあるようです。

才能豊かな将来性のある少年を「麒麟児(キリンジ)」と呼ぶなど、全体として神聖かつポジティブなイメージを持たれている霊獣・麒麟。大相撲力士・麒麟児や、ポップ音楽ユニット「キリンジ」、漫画「キリンジ」などにもその名が用いられていますね。

また、キリンビールのシンボルである「聖獣麒麟」も、中国の霊獣「麒麟」がモチーフとなっています。キリンビール誕生当時、西洋から輸入されるビールには狼や猫などの動物をモチーフにしたラベルが多かったことから、これに対抗して東洋の霊獣・麒麟を商標として掲げたのがこんにちのキリンビールの始まりだそう。

詳しくはキリンビール公式ホームページ上の「聖獣麒麟の歴史」がまとめられたページを御覧ください。キリングループでは、「麒麟がくる」のコラボ商品として「一番搾り」「キリンレモン」のオリジナルデザイン商品を地域限定(近畿2府4県および中部7県)で販売するとのこと。

キリンと麒麟の関係

最後に、気になる実在動物「キリン」と「麒麟」の関係性について。両者は決して無関係ではありません。

首が長く、穏やかな草食動物として広く愛されている「キリン」は、この中国神話の麒麟が名前の由来となっています。

1419年、アフリカ東岸諸国から運ばれ献上された首の長い動物(キリン。現地ソマリ語では「ゲリ」と呼ぶ)を明の第3代皇帝・永楽帝はいたく気に入ったそうで、伝説の聖獣「麒麟」に似ていたことなどから、この動物を「麒麟」として珍重したという説が伝わっています。

現在でも日本や韓国では一連の中国の故事を由来として、この首長草食動物を「キリン」と呼んでいます。ただし、現地中国ではキリンは「长颈鹿(チャンジンルー=chángjǐnglù=長い首の鹿)」と呼ばれているとのことです。

令和に麒麟は降臨する…?

令和という新しい時代を迎えた日本。新しい時代への期待感とともに、随分と長く続いている社会の停滞感・閉塞感が日本人の気持ちを暗いものにさせています。

NHKとしては、苦しむ庶民に希望を与える「麒麟」をドラマのテーマとして採用し、それを明智光秀の人生と重ね合わせることで、苦しい時代を打破する気概や明るい未来への希望を描きたいのだと思われます。

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