NHK連続テレビ小説「らんまん」6月29日(木)放送の第64回では、これまで最強のバディ(相棒)として苦楽を共にしてきた万太郎と竹雄に「別れの時」が訪れています。
二人が涙で抱き合い感謝を口にしたシーンは、ドラマ屈指の名場面になっています。
万感の思いで感謝を口にする万太郎と竹雄
綾と夫婦になり、土佐で暮らしていくことを決意した竹雄。
— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) June 28, 2023
これまでのいろいろな思い出がよみがえり、二人は涙を流し強く抱き合います。#朝ドラらんまん#神木隆之介 #志尊淳 pic.twitter.com/eUVy0YbG6M
万太郎(神木隆之介)と寿恵子(浜辺美波)の結婚が決まり、竹雄(志尊淳)が綾(佐久間由衣)への長年の想いを成就させ…。お互いにとって目出度いことが続いた万太郎・竹雄コンビですが、このことは最強の相棒として苦楽を共にしてきた二人に別れの時が近づいていることを意味します。
万太郎と寿恵子の祝言が目前に迫ったある夜のこと。竹雄は決意を胸に「話がある」と万太郎に話しかけますが、万太郎は植物を睨んで背を向けたまま、振り返りません。万太郎の目には、すでに溢れんばかりの涙が浮かんでいました。
「竹雄がいつ言い出すだろうかと思って心構えはしちょったけど…」
万太郎は、竹雄が綾と夫婦(めおと)になり高知に残ることをすでに予感していたようです。綾の弟としてそれはとても嬉しいことではありますが、一方でそれは、唯一無二の親友として過ごしてきた楽しい青春の日々が終わることも意味します。
万太郎「おめでとう竹雄。ありがとう、姉ちゃんのことを想い続けてくれて、わしのことを支え続けてくれて…。わしは竹雄には一生かけても返しきれんきに」
竹雄「なにをゆうがですか。わしの方がもろうたがじゃきに。万太郎、今まで楽しかったのう。わしはもう東京には帰らんつもりじゃき…」
当初は「番頭の息子」という立場でタキに命じられて万太郎のお守りをしていた竹雄ですが、いつしか万太郎との間に主従関係を超えた深い友情が芽生えていました。また、万太郎と行動を共にしたことが自身の大きな成長に繋がったということを、竹雄はよく理解しているようです。
一方の万太郎もその気持ちは同じ。ダメ当主だった自分をいつも無償で支え、時に叱ってくれた竹雄に対し感謝してもしきれない気持ちが溢れていました。
万太郎「わかった…お別れじゃのう!井上竹雄!9歳の頃より今まで、長らく仕えてくれてホンマにありがとうございました」
竹雄「槙野万太郎!今までありがとうございました!」
二人は大粒の涙を流しながら頭を下げ合い、万感の思いで感謝を述べあっています。
いつまでも一緒に居たいけれど、新しい人生を始めるためにはこの場所から巣立たなければならない、もう後戻りはしない…。万太郎と竹雄の決意を象徴するかのような涙の抱擁シーンは、ドラマ屈指の名場面になったのではないでしょうか。
※一通り感謝の言葉を述べ終わった後、竹雄が自分のことを「お義兄さんと呼べ」と万太郎に冗談めかしており、今後も二人の仲良しぶりは続いていきそうです。おそらく竹雄は槙野家に婿入りし、「槙野竹雄」になるのではないかと予想します。
▼竹雄と綾の結婚は、牧野富太郎の従姉妹・猶と番頭の結婚がモデルになっています。
今後は寿恵子が最強の相棒に
こうして万太郎の相棒は竹雄から寿恵子にバトンタッチされたわけですが、今後、寿恵子の良妻ぶり、辣腕ぶりが見られそうです。
寿恵子のモデル人物である牧野富太郎の妻・壽衛子は、研究生活に明け暮れて借金まみれだった富太郎を支え、家計や育児を一手に引き受け続けたことで知られます。
富太郎と壽衛子の間には早世した子も含めて13人(!)の子供が生まれ、高知の生家・岸屋の援助を頼れなくなって以降は一家は借金まみれ。壽衛子は出産後わずか3日で債権者のもとに交渉に出かけるなど、研究以外はまったくもって無頓着だった富太郎を支え続けています。
やがて、ついに困窮極まった際には壽衛子自ら「待合」と呼ばれる貸席・貸座敷業を起業。常人離れした偉人・牧野富太郎の陰にこの妻ありという壽衛子の奮闘ぶりが、「らんまん」でも寿恵子の姿を通して描かれそうです。