「らんまん」田邊教授の恩人・森有礼(橋本さとし) モデル・矢田部教授と森有礼との関係とは

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NHK連続テレビ小説「らんまん」に、政治家や教育家として活躍した実在の人物・森有礼(もり・ありのり)が登場します。

森有礼は田邊教授の恩人という設定。史実でも田邊教授のモデル人物である矢田部良吉教授の人生に影響を与えた人物ですので、その関係性などをまとめます。

森有礼を演じるのは、俳優、声優として活躍を続ける橋本さとしです。

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目次

らんまん:田邊教授の恩人 初代文部大臣・森有礼

第1次伊藤博文内閣において初代文部大臣を務め、一橋大学の前身である商法講習所を設立したほか、明治期の教育改革に大きな貢献を見せた森有礼

薩摩藩士の五男として生まれると幕末に五代友厚らとともにイギリスに密航して留学を経験し、その後もロシア、アメリカなどに渡って西洋の文化をいち早く吸収。その知見を維新後の日本に還元した実在の人物です。

「らんまん」では東京大学植物学教室の初代教授・田邊彰久教授(要潤)の恩人として、森有礼が登場する見込みです。

「らんまん」における森有礼のキャラクター設定は、薩摩男らしい豪快さを持つ一方で、鋭い観察眼で物事を見極めるなど繊細さもあわせ持つ人物のようです。

文部大臣に就任した森有礼は、田邊に御茶ノ水の高等女学校校長の職を与えるなど、田邊の大きな後ろ盾になっていきます。しかし森有礼が突然暗殺されてしまうと、突然女学校の閉鎖が決まるなど田邊に逆風が吹き始めて…。

史実モデル:矢田部良吉教授と森有礼

「らんまん」田邊彰久教授のモデル人物である東京大学植物学教室・初代教授の矢田部良吉は、森有礼に恩を受けた人物として知られます。

中浜万次郎(ジョン万次郎)や大鳥圭介から英語を学び、開成学校などで教官として教えた後に外務省に転じ、同省文書大令史に任ぜられた矢田部良吉。

明治3年(1870年)には、少弁務士(後の駐米公使)として赴任する森有礼に随行してアメリカに渡っています。矢田部良吉は外務省の役人という身分で渡米をしたようですが、当初から留学を念頭に置いていたらしく、現地で勉強をした後に名門・コーネル大学に日本人として初めて入学し、4年間の科学課程を修めています。

矢田部良吉はコーネル大学で専門として植物学を学んでおり、アメリカで得た先進的な知識や経験が、帰国後の植物学教室初代教授の就任につながるわけです。森有礼の随行者として渡米をしたことで、矢田部良吉の人生が大きく開かれたことになります。

矢田部良吉と森有礼の関係はこれで終わりではありません。明治18年(1885年)に森有礼が第一次伊藤内閣において初代文部大臣に就任すると、矢田部良吉はその右腕となって文教行政、教育制度の改革に携わっています。なかでも女子の高等教育の推進について、矢田部良吉は森有礼のもとで強いビジョンを有していたようです。※森有礼の後押しもあったのか、矢田部良吉は1888年〜1890年の間、教授職と兼務で東京高等女学校の校長を務めています。

しかし、学位令を発令するなど日本の大胆な教育改革を目指してた森有礼は、志半ばでこの世を去ってしまいます。明治22年(1889年)、森有礼は国粋主義者の西野文太郎に刺され43歳の若さで死亡。矢田部良吉はこの後に高等女学校校長の座を追われるなど、女子教育の一線から退くことになります。

矢田部良吉はその後、明治24年(1891年)頃に東京大学内の権力争いに敗れて大学教授を罷職されると、東京高等師範学校の教授(後に校長)に転じています。

明治32年(1899年)、矢田部良吉は鎌倉で海水浴中に溺死するという最期を迎えることになります。失意のうちに大学を追われ、以降は植物学の研究からも離れてしまった矢田部良吉ですが、人生のもう一つの柱である教育活動(学校の設立、教育制度の整備改良など)への熱意は持ち続けていたようです。恩人・森有礼を通じて教育活動の第一線に携われたことが、彼の人生の後半に大きな影響を与えたことでしょう。

史実にならえば、「らんまん」の田邊教授にも今後波乱の人生が待ち構えているかも知れません。森有礼と田邊教授との関係性に注目です。

▼エキセントリックな人柄と行動で何かと世間を騒がせた矢田部良吉教授。「らんまん」の田邊教授も前半はイケイケの教授として君臨しますが、やがて人生に暗雲も…?

俳優・橋本さとし「TOKYO MER」「プロフェッショナル仕事の流儀」

▼2023年6月にはハロルド・ジドラー役で出演する「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」が公演開始。多岐にわたる活躍を見せ続けている橋本さとし。

森有礼役を演じるのは、大阪府出身の57歳の俳優、声優・橋本さとしです。

大阪芸術大学芸術学部舞台芸術学科に入学すると、同大学の学生が中心となって旗揚げされた「劇団☆新感線」(古田新太らが在籍)に所属。1989年から1997年まで人気劇団のメンバーとして活躍を見せています。

その後も「ハムレット」「くるみ割り人形」「ミス・サイゴン(※主演)」など大物演出家が手掛ける舞台やミュージカルに多数出演。

地上波ドラマも、NHK大河ドラマ「平清盛」(2012年・源為朝役)、「どうする家康」(2023年・山県昌景役)、NHK大河ファンタジー「精霊の守り人II 悲しき破壊神」(2017年・ヨーサム役)、TBS系ドラマ「下町ロケット」(2015年・三田康役)、「ブラックペアン」(2018年・黒崎誠一郎役)、「TOKYO_MER〜走る緊急救命室〜」(2021年・駒場卓役)など人気ドラマに多数出演を続けています。

また、持ち前の美声を生かして「プロフェッショナル 仕事の流儀」のナレーションを長年に渡り担当するなど、幅広い活躍を見せています。

NHK朝ドラへの出演は、「なつぞら」(2019年)でヒロインのなつ(広瀬すず)が働くアニメ会社のテレビ班制作進行を担当していた荒井康助役で出演して以来となります。

「TOKYO MER」で先輩後輩関係 要潤と念願の共演


「らんまん」の出演に際し、橋本さとしは「個人的には、あるドラマで共演しつつも設定上お会いしたことがなかった要潤さんと初めてご挨拶し、やっと面と向かってお芝居ができた事は嬉しくもありがたかったです。」と語っています。

要潤とはTBS系日曜劇場「TOKYO_MER〜走る緊急救命室〜」において東京消防庁ハイパーレスキュー隊の元先輩・後輩という間柄で「共演」をしていますので、前述のコメントはこのことを指しているものと思われます。

橋本さとしが「TOKYO_MER〜走る緊急救命室〜」で演じたのは、TOKYO MER・危機管理対策室室長の駒場卓役。駒場は救助活動中に下半身不随になってしまった過去を持ち、車椅子で司令室から現場に指示を送るという役柄でした。

そのため、駒場は現場叩き上げのレスキュー隊長である千住幹生(要潤)と同じ画面には登場せず、撮影も別々に行われたようですね。

終始「俺様キャラ」だった田邊教授が恩人・森有礼の前でどのような姿を見せるのか、名脇役同士である要潤と橋本さとしの共演が楽しみです。

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