NHK連続テレビ小説「らんまん」に登場している東京大学の田邊教授。その若き妻・田邊聡子が登場することが判明しましたので、キャラクター設定やモデル人物、演じる俳優の中田青渚の簡単なプロフィールなどをまとめます。
田邊教授の若妻・聡子
西洋への留学を経験し、何かとインテリ風を吹かせている東京大学植物学教室の初代教授・田邊彰久(要潤)。西洋かぶれで気難しい田邊教授。妻の聡子(中田青渚)が登場することで、田邊教授の家庭内での新たな一面(さらなる闇も?)が見えてくるかも知れません。
万太郎・寿恵子夫婦は結婚祝いという名目で田邊家にお呼ばれされると、田邊夫妻と交流の場を持つことになります。
聡子は田邊教授よりだいぶ年下の妻で、まだ田邊家に来たばかり。田邊教授は昨年に前妻を亡くしており、聡子はその前妻が遺した二人の小さな娘に懐かれずにいるようです。
聡子は内気で控えめな性格をしており、グイグイと自己主張が強い「俺様キャラ」の田邊教授とはまったく異なるタイプ。別室で寿恵子と二人きりになった聡子は、場を和ませようと明るく振る舞う寿恵子の姿に心を開き始め、身の内を話し始めます。
父が判事をしており田邊教授と懇意だったことから、田邊教授の後妻に抜擢されたという聡子。通っていた御茶ノ水の女学校を中退して田邊家に嫁いできたため聡子は寂しさを抱えており、寿恵子と出会ったことがどこか嬉しそう。
槙野夫妻との出会いを通して、内気で結婚生活に戸惑っていた聡子にも変化が見えていきそうです。
『らんまん』新キャスト5人発表❗
— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) June 20, 2023
田邊教授(要潤)の“若妻”役に中田青渚
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モデルは矢田部良吉教授の若き後妻・順か
東京大学植物学教室・初代教授の矢田部良吉(「らんまん」田邊教授のモデル)は、上京したばかりだった牧野富太郎に対し植物学教室への出入りを許可するなど、駆け出しの研究者だった富太郎を手助けした人物として知られます。
後に富太郎と決別してしまう矢田部教授ですが、それ以前は富太郎を麹町富士見町の自宅に招いてご馳走を振る舞うなど、富太郎を可愛がっていたようです。こうした折に、富太郎は矢田部教授の妻とも交流を深めたと考えられます。※牧野富太郎が植物学教室への出入りを許されたのは1884年(明治17年)のこと。その後、1890年(明治23年)までは富太郎は教室への出入りが自由だったようで、この間に富太郎は矢田部邸を訪れていたことになります。
矢田部教授は、1878年(明治11年)に最初の妻・録子(勝海舟の主治医だった医師・金沢良斎の娘)と結婚しますが9年後の1887年(明治20年)秋に死別。その後、後妻として順(大審院判事・柳田直平の娘)という女性を迎え入れています(前妻と死別後すぐの1887年末に結婚か。矢田部家は1887年の時点で秀吉、俊二という二人の男児が生まれています)。
順の父・柳田直平は1849年生まれで矢田部教授は1851年生まれですので、矢田部教授は自分の娘でもおかしくない年齢差の若妻・順を後妻として迎え入れたということになります。しかも前妻との死別後すぐの再婚となれば、陰で色々とあることないことを言われたことでしょう。
順は結婚後、矢田部教授との間に矢田部達郎(心理学者)、矢田部勁吉(音楽家)などの子をもうけています。
※矢田部教授は西洋の価値観に大きな影響を受けており、夫婦関係においても「女性は一歩下がって」という古い価値観よりも夫婦の対等な関係(ただし女性には良妻賢母であることを求める)を理想としたそうです。
田邊聡子は女学校の教え子?
牧野富太郎の自叙伝によれば、矢田部教授は東大の教授職と兼任で校長を務めていた(一ツ橋の)高等女学校の教え子の女性を妻に迎え、物議を醸したとされます。(各文献をあたっても確証は得られていないのですが)時系列的にもこの教え子の女性が、前述した若き後妻・順ではないかと思います。
6月1日(木)放送の「らんまん」第44回では、田邊教授が政府高官の佐伯遼太郎(石川禅)から「今度できる御茶ノ水の女学校の校長は、やはり貴方がなるべきだ」と勧められ、田邊教授が「なってもいいですが大学も人材不足なので兼務になりますが…」とご満悦そうに返答する様子が描かれています。史実を考慮すると、田邊教授がその後に御茶ノ水の女学校校長を兼務するようになり、そこに通う生徒だった聡子を新たな妻に迎えたのではないかと予想します。【追記】田邊が女学校の校長に就任するのは第17週のことになりそう。田邊はそれ以前に聡子と結婚しており、聡子は田邊の直接の教え子ではありません。
モデルの矢田部教授は鹿鳴館でダンスに熱中し、教え子の若い女性を妻に迎え、失言により物議を醸すなど、何かと世間を騒がせた人物として知られます。当時の「毎日新聞」には矢田部教授をモデルにした小説が連載されていたほどエキセントリックな人物であり、「らんまん」の田邊教授も次第に気難しく変わり者の本性を見せていきそうです。
期待の若手俳優・中田青渚(なかた・せいな)
今夜22:30から #だが情熱はある
— 中田青渚&STAFF (@seina_staff) June 4, 2023
第9話です
いよいよ来ましたね、2008年M-1敗者復活戦!!
予告からも熱気がバシバシと伝わってきますね
私も楽しみです
みてください〜✨
中田青渚 pic.twitter.com/JEWdeGsSN8
田邊聡子役を演じるのは、兵庫県神戸市出身の23歳の俳優・中田青渚(なかた・せいな)です。
漫画雑誌が主催する「第5回Sho-comiプリンセスオーディション2014」でグランプリを受賞し、現在も所属する事務所「アミューズ」にスカウトされたことで、高校入学とともに上京。俳優として芸能活動をスタートさせています。
2016年にドラマ「ラーメン大好き小泉さん 2016新春SP」(フジテレビ系・煮干山薫子役)でデビューすると、「中学聖日記」(2018年・TBS系・香坂優役)、「ここは今から倫理です。」(2021年・NHK・南香緒里役)、「善人長屋」(2022年・NHKBS・主演 お縫役)、「だが、情熱はある」(2023年・日本テレビ系・橋本智子役)などの人気ドラマで活躍。
映画「3月のライオン 後編」(2017年・高城めぐみ役)、「ミスミソウ」(2018年・橘吉絵役)、「街の上で」(2021年・ヒロイン 城定イハ役)など映画作品でも好演を見せ、2021年には映画「街の上で」「あの頃。」「うみべの女の子」の演技により第43回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞しています。
「ここは今から倫理です。」「善人長屋」などへの出演を通し、NHKとしても中田青渚の実力をしっかりと見極めることが出来たのでしょう。期待の若手女優が、「らんまん」で満を持して朝ドラデビューを果たすことになります。