大河ドラマ「青天を衝け」剣術家・真田範之助(板橋駿谷) 多摩地方出身の剣術家

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NHK大河ドラマ「青天を衝け」に登場する剣術家・真田範之助(さなだ・はんのすけ)の人物像などをまとめます。

多摩地方出身で、尾高惇忠や渋沢栄一とも交流があった真田範之助。尊王攘夷の思想に傾倒し、幕末の激動の中に身を投じた末に、無念の最期を迎えることになります。

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目次

多摩地方出身の剣術家・真田範之助

真田範之助(範之介)は、武州多摩郡左入村(現在の東京都八王子市左入町付近)の豪農・小峰久次郎の長男として生まれ、勤皇の志士として散った剣術家です。

「青天を衝け」では尾高惇忠の道場に道場破りに来たことをキッカケに、渋沢栄一たちとの間に友情が芽生えていきます。

▷真田範之助を演じるのは、福島県須賀川市出身の俳優・板橋駿谷。日本大学芸術学部演劇学科出身で、劇団ロロ所属、演劇集団さんぴんのメンバーとして舞台で活躍を続けると、近年は映画やテレビドラマの脇役として人気となっています。2019年にはNHK朝ドラ「なつぞら」でヒロインが通う農業高校の番長・門倉努役で出演。その後もドラマ「左ききのエレン」「ハムラアキラ〜世界で最も不運な探偵〜」、映画「泣く子はいねぇが」「ライアー×ライアー」などに出演。

天然理心流、北辰一刀流で剣術を磨く

真田範之助は、天保5年(1834年)生まれ。父・久次郎や八王子千人同心・増田蔵六らから古武道・天然理心流(てんねんりしんりゅう)の剣術を学んでいます。

 ※天然理心流=剣術、居合術、小具足術に加え柔術、棒術も含んだ総合武術。日本の古武道の流派のひとつで、近藤勇ら新選組の面々を輩出した。

※八王子千人同心=江戸幕府の職制のひとつ、家臣団。八王子は江戸幕府の天領であり、佐幕(幕府を補佐する)の風潮が強かった。

天然理心流で才を発揮した範之助は、剣術家・千葉周作により開かれた北辰一刀流の道場・玄武館(幕末江戸三大道場の一つ)に入門。

範之助はこの玄武館で各地の藩士と触れ合い、水戸藩剣術師範となった師匠・千葉周作の影響も受け、次第に尊皇攘夷の思想に傾倒していきます。渋沢栄一もこの千葉道場に入門しており、範之助と栄一は交友を深めています。

この時期、範之助は関東各地の道場や剣豪を訪ねて武者修行を行っています。

高崎城襲撃計画、天狗党… 実らぬ情熱

範之助は、関東各地の攘夷派同士との連携による高崎城襲撃計画横浜の外国人居留地焼き討ち計画に参加しようとしたものの、計画は頓挫(範之助は渋沢栄一らによる「慷概組=こうがいぐみ」に参加する予定だった)。

また、水戸藩士・武田耕雲斎と交流があり、水戸藩士を中心とした尊王攘夷派「天狗党」に参加したものの離脱。独自の一派を引き連れて横浜の異人を襲撃しようと利根川を鹿島方面に進みましたが、道中で幕府側と交戦・敗退し、部隊は解散となっています。

突然の最期 江戸の新徴組に斬られる

尊皇攘夷実現への情熱がなかなか実を結ばなかった範之助。思わぬ形で最期の時を迎えることになります。

元治元年(1864)10月16日。範之助は、次の機会をうかがって江戸に潜伏している折に、江戸幕府による市中警備組織「新徴組(しんちょうぐみ)」6名に包囲され、必死の反撃虚しく斬殺されてしまいます。享年31。

範之助の遺体は、処刑された罪人らが打ち捨てられてきた千住小塚原の回向院下屋敷に葬られたとされます。

「青天を衝け」第16話では、攘夷の実現に突き進み筑波山の天狗党に合流しようとする範之助と、「寝返って」一橋家に仕えた栄一、喜作との言い争い、決別の様子が描かれています。かつて共に攘夷を目指した範之助、栄一、喜作ですが、この頃には別々の道を歩み始めていたのです。

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