NHK連続テレビ小説「らんまん」第23週(9月4日〜)では、槙野家にとって5人目の子となる三女・千鶴(ちづる)が生まれます。
末っ子となる千鶴の人物像や、大人になった千鶴を演じる俳優・本田望結の簡単な経歴などをまとめます。「らんまん」には本田望結を含めて多数の子役出身俳優が出演しています。
5人目は千鶴 モデルは牧野鶴代
一体いつの間に子作りをしているんだというほどに、ポンポンと子供が生まれていく槙野家。子だくさんな槙野家の様子は、モデルである牧野富太郎・壽衛子夫妻が子だくさんだったという史実(13人が生まれ、3男4女が無事に育った)をモチーフに描かれています。
槙野家の5人目の子供として第23週に誕生する三女(末っ子)千鶴は、計算上は1897年(明治30年)の生まれ。万太郎35歳、寿恵子32歳の時の子になります。
※千鶴は、牧野富太郎・壽衛子夫妻の娘・鶴代がモデルと考えられます。
鶴代は19歳の時に社会主義運動家の額賀二郎と結婚しましたが離縁して実家に戻り、以降は母の壽衛子とともに富太郎の研究を支えています。壽衛子の没後には父・富太郎の研究と生活を支える存在となり、富太郎の没後には父の膨大な蔵書を高知県立牧野植物園に、標本を都立大学に寄贈。東大泉の自宅も寄贈して現在の練馬区牧野記念庭園の誕生につなげるなど、富太郎の研究成果を整理し、後世に残していく活動を見せています。
鶴代の孫である牧野一浡(かずおき)さんは、現在練馬区立牧野記念庭園の学芸員を務めています。早くに母を亡くした一浡さんは祖母の鶴代に育てられたそうですが、曽祖父である牧野富太郎とも暮らしていたとか。富太郎は老いてなお研究に没頭し続けていたそうで、ひ孫と遊ぶような時間はほとんどなかったそうです。
参考までに、槙野家の5人の子供たちの名前と演者、生年を以下にまとめます。
★槙野家の5人きょうだい(演者)
▷長女・園子<早世> ※1884年(明治17年)生まれ。
▷次女・千歳(秋山加奈→入江美月→遠藤さくら)※1886年(明治19年)生まれ。
▷長男・百喜(森本一之新→石川誉→松岡広大)※1888年(明治21年)生まれ?
▷次男・大喜(服部仁信→峰岸慶→木村風太)※1891年(明治24年)生まれ?
▷三女・千鶴(鈴木咲→横山芽生→本田望結→松坂慶子)※1897年(明治30年)生まれ?
計算上は千歳の2歳下に百喜、さらに3歳下に大喜、さらに6歳下に千鶴。千歳と千鶴の年齢差は11歳ということになります。
千鶴は姉や兄に可愛がられ、末っ子らしくおおらかな子に育っていきそうです。
大人になった千鶴役は本田望結 (追記:最終週で松坂慶子が老年期役で登場)
NHKの発表によれば、26歳以降の千鶴を子役出身の俳優・本田望結(ほんだ・みゆ)が演じるとのこと。
本田望結が初登場する回は、関東大震災が発生した1923年(大正12年)9月1日のこと(第123回)。千鶴は自宅近くのお店(上野あたりの百貨店?)で働いているらしく、接客用のおしゃれな洋服をボロボロにしながら根津の長屋に帰宅しています。
後に千鶴は両親の晩年を支える存在になっていくとのことなので、最終週にかけて出番がありそうです。
【追記】最終週・第126回では、万太郎が亡くなった後の1958年(昭和33年)のエピソードが描かれ、61歳前後の千鶴が登場。松坂慶子が演じています。松坂慶子は物語前半で万太郎の祖母・タキ役を演じおり、一人二役での出演となります。
母親役の浜辺美波との実年齢差は4歳!
劇中では32歳差の親子を演じる浜辺美波(23歳)と本田望結(19歳)ですが、実年齢ではわずかに4歳差。ほぼ同年代の俳優が親子を演じることになりますので、二人の演技にも注目が集まります。
本田望結は、京都府京都市伏見区出身の19歳のタレント、モデル、俳優、フィギュアスケート選手。
同じくフィギュアスケート選手として活動しながらメディアにも頻繁に登場している姉の本田真凜、妹の本田紗来とともに、ユーチューブチャンネル「本田姉妹やで」も展開し、人気になっています。
幼少期から鈴木福らとともにテアトルアカデミーで子役としてのレッスンを受けた本田望結。
2011年に芦田愛菜・鈴木福の両子役が大活躍したフジテレビ系ドラマ「マルモのおきて」に芦田愛菜のクラスメイト役で出演すると、同年の日本テレビ系ドラマ「家政婦のミタ」では、家政婦のミタさん(松嶋菜々子)が派遣された阿須田家の次女・阿須田希衣役で出演。鉄面皮のミタさんに無邪気に懐く可愛らしい演技により、たちまち人気となっています。
その後もドラマ「コドモ警察」「サマーレスキュー〜天空の診療所〜」「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」や映画「ポプラの秋(主演)」「母と暮せば」などの作品に出演し、人気子役として活躍を見せています。
その一方で、兄の影響で3歳から始めたフィギュアスケートの現役選手としても活躍。二足のわらじを履きながら、さらに近年ではユーチューバー、インフルエンサー、タレントとしての活躍も目立っています。
NHK朝ドラは役者生活16年目にして、意外にも今作が初出演。朝ドラは子役を始めた頃からの憧れであり、子役の大先輩でもある神木隆之介の娘役を演じるというのも大きな喜びとなることでしょう。
【参考】「らんまん」には数多くの子役出身俳優が出演しています。ざっと挙げると以下の通り。
・神木隆之介(主人公・槙野万太郎役)
・浜辺美波(万太郎の妻・槙野寿恵子役)
・寺田心(高知の少年・山元虎鉄役)
・濱田龍臣(山元虎鉄の青年期役)
・落合モトキ(植物学者・伊藤孝光役)
・本田望結(万太郎の末娘・槙野千鶴役)
・木村風太(万太郎の息子・槙野大喜役)
・中川大志(資産家・永守徹役)
・海宝直人(実業家・小林一三)