NHK連続テレビ小説「カムカムエブリバディ」12月23日(木)放送の第39回では、いよいよ大阪編(るい編)がスタートしています。
この記事では、第39回の内容のまとめ(あらすじ)と、大阪編に進むにあたって整理しておくべき事柄などをまとめておきます。
るいは18歳に 未来の後継者・雉真昇の成長、千吉の死
この日の放送は、前日の第38回から時代が11年進んだ昭和37年(1962年)の雉真家のシーンからスタートしています。7歳だったるいは18歳になっています。
雪衣の妊娠、るいと安子の決別、安子の渡米決意など、激動の展開が描かれた第38回。あれから11年が進んだ雉真家では、勇(村上虹郎)と雪衣(岡田結実)が結婚をし、二人の長男・昇(谷川生馬)が勉強好きの少年に成長。予期せぬ形とはいえ、雉真家に正統な後継者が育っています。
初代・千吉は余命幾ばくもない病床にありました。千吉は未来の後継者・昇の存在や、勇の経営者としての成長に安堵し、ほとんどこの世に思い残すことはないようです。
千吉の唯一の心残りは、「あの日」からるい(深津絵里)の笑顔が消えてしまったこと。るいと安子を引き離してしまった遠い日のことを悔いながら、千吉は激動の生涯に幕を閉じています。
るい「新しい街で一人で生活を始める」決意表明
るいは美しくしっかりとした女性に育っていますが、どこか心の底に陰を背負っています。叔父にあたる勇とはキャッチボールを行うなど関係は良好ですが、「雉真家」に縛られたくないという意地のようなものをるいは抱えています。
千吉の葬儀の朝、るいは「新しい街で一人で生活を始める」という決意を勇に伝えます。勇は特に否定もせずに金銭的援助を申し出ますが、るいはこれを拒否。るいは高校時代に読書部の活動だと偽り、放課後にこっそりと古本屋でアルバイトをして自立用の資金を貯めていたのでした。
突然の自立宣言を否定しない勇の態度から見ても、雉真家にるいの居場所がなかったことを勇は感じ取っていたのかもしれません。自分を雉真の家に縛り付けていた千吉が亡くなったことで、るいはようやく自分の人生を歩き始めるのです。
竹村夫妻との出会い 道頓堀へ
「二度と岡山には戻らない」と心に決め、晴れて大阪へと到着し、自由への第一歩を歩き出したるい。
ブティックで就職面接用の服を新調し、ご機嫌で街を歩きますが、竹村平助(村田雄浩)という男の自転車とぶつかって転倒。面接用の洋服を汚してしまいます。
平助は、妻の和子(濱田マリ)とともに道頓堀横丁で「竹村クリーニング店」を営んでいる男性でした。平助は平謝りするとるいを自分の店に連れていき、代わりとなる面接用の服を貸します。るいは和子の服を着て、約束していたホテルの接客業の面接に挑みますが…。
治さない額の傷、るいの心の傷
面接は好感触のまま進行しますが、ホテルの接客の仕事ということもあり、面接官から前髪をあげた「おでこ出しスタイル」を見せてほしいと要求されてしまいます。
るいは再三に渡り千吉から額の傷を消す手術を勧められていましたが、「雉真家にしばられたくない」という意地により、これを拒否し続けてきました。
結果的に、このるいの意地が消えない額の傷のコンプレックスを増長させ、雉真家、そして自分を捨ててアメリカに渡ってしまった母・安子の呪縛をより強いものにしているようです。もしかしたら、るいは無意識のうちに「母と一緒に生きた証」である傷を消したくないと思っているのかも知れませんね。
結局るいはおでこを面接官に見せることが出来ず、面接会場から退出してしまいます。
竹村家での生活がスタート
傷心のまま、服を借りた「竹村クリーニング店」へと戻ったるい。そこにはテレビのお笑い番組を見ながら爆笑している、脳天気な竹村夫妻が待っていました。
その底抜けの明るさに救われたのか気が抜けたのか、るいはその場で泣き出してしまい…。
ここまでが第39話のあらすじです。
るいは自分を捨てて米国人(ロバート)とともにアメリカに渡った安子を恨むとともに、雉真家では正統後継者・昇の誕生により居場所(存在価値)を失い、空虚な気持ちで思春期を送ったようです。
「大阪編」では、るいが「竹村クリーニング店」で住み込みで働き始め、さまざまな人々と出会っていく様子が描かれていきます。
その過程の中でるいは恋を覚え、ジャズという音楽に出会うことになります。父母を奪い取った憎きアメリカの音楽であるジャズ、そして消えない母との思い出である額の傷…。悲しいストーリーばかりが降りかかるるいの人生ですが、大阪で出会う素敵な人々のおかげで、るいは少しずつ前を向いて歩きはじめます。