NHK連続テレビ小説「らんまん」8月2日(水)放送の第88回では、寿恵子が万太郎のロシア行きを強烈に後押し。ロシアでの子育てを心配する万太郎に対し、寿恵子は前向きすぎる言葉を発しています。
家族でのロシア行きの決断に際し寿恵子が万太郎に対し要求した「3つの条件」などとあわせて、この日の夫婦のやり取りをまとめます。
寿恵子「あなたを認めてくださる人がいる それが何よりも嬉しい」
田邊教授(要潤)から植物学教室への出入りを禁止され、研究の場を失ってしまった万太郎(神木隆之介)。
信頼をおく博物館の里中(いとうせいこう)と野田(田辺誠一)に事の経緯を相談をした万太郎は、二人からマキシモヴィッチ博士を頼りロシアに行くことを勧められます。とはいえ、愛娘の園子はまだ小さく妻の寿恵子(浜辺美波)も身重であるため、万太郎はロシア行きをあまり現実的な事だとは思えませんでした。
そんな万太郎の心を大きく動かしたのが、マキシモヴィッチ博士から届いた手紙でした。
手紙によれば、マキシモヴィッチ博士は万太郎のムジナモの研究成果を絶賛した上で、ドイツの文献に万太郎の植物画が掲載される手助けをしてくれたようです。ここのところ意気消沈してばかりだった万太郎と寿恵子でしたが、マキシモヴィッチ博士の厚意を知って大喜びです。
この嬉しい手紙を読んだ万太郎は居ても立っても居られなくなり、寿恵子にロシア行きを直訴することになります。無謀なお願いだと自覚していた万太郎ですが、寿恵子の返答は意外なほど前向きなものでした。
寿恵子「ロシア…いいんじゃないですか?どうしよう…。本当に大冒険だ」
万太郎「ロシアじゃ。寿恵ちゃん。」
寿恵子「うん。(広瀬)佑一郎さんもアメリカに行ってらっしゃるでしょ?同じようなもんですよ。」
万太郎「けんど…。園ちゃんもおる。」
寿恵子「うん。ロシアにも子供はいます。ここと同じように当たり前に人が暮らしてる。だったら長屋くらいありますよ。そんなことよりあなたを認めてくださる人がいる。それが何よりも嬉しい」
※万太郎と寿恵子のモデルである牧野富太郎と壽衛子(すえこ)は強い絆で結ばれた夫婦でした。流行りの観劇や着物などのぜいたくには一切の興味を示さず、多くの子を産み育て、ただ富太郎の研究のために尽くした壽衛子。やはり苦労もあったのか壽衛子は55歳の若さで亡くなってしまいますが、その死後に富太郎は新種の笹に「スエコザサ」と命名するなど、亡き妻に深い愛情を見せています。こうした壽衛子の人物像をモチーフに、「らんまん」では気丈で明るい妻・寿恵子が描かれています。
▼一家でのロシア行きを決意する万太郎ですが、思わぬ展開に…?
寿恵子が出した「ロシア行き3つの条件」
持ち前の冒険心を胸に、一家のロシア行きに前向きな態度を見せてくれた寿恵子。とはいえ、寿恵子は愛する子供たちを守るという大きな使命も抱えています。
寿恵子は一家のロシア行きに際し、以下のような「3つの条件」を万太郎に突きつけています。万太郎の研究を全面的に後押ししつつも子供たちのことは自分が責任を持って守る、そんな寿恵子の覚悟が垣間見える条件提示でした。
条件①妊娠中の第二子は日本で産む
現在妊娠中の第二子は日本で出産すること。
初産となった園子の出産の際には、長屋のおりん(安藤玉恵)やおえい(成海璃子)の存在が大きな支えになったという寿恵子。第二子出産の安全性も考えると、当然の要求ですね。
条件②ロシア行きの前におっかさんに会いたい
ロシアに渡る前に、母のまつ(牧瀬里穂)に会っておきたいというのが2つ目の条件。
菓子職人の文太(池内万作)の郷里=群馬・榛名山近く=に移り住んだまつとは会える機会も減っており、園子や生まれてくる第二子をまつに見せてやりたい、というのが寿恵子の願いです。
条件③私達を離さないで
国内であれば長屋の人たちなど頼れる人も多い寿恵子ですが、異国の地・ロシアに行けば、寿恵子にとって頼れるのは万太郎だけ。
ただでさえ研究に没頭すると家族を置いてけぼりにしがちな万太郎のことですから、「私達を離さないで」という寿恵子の願いは割りと切実なものといえます。
万太郎は「もちろんじゃ!こんな、こんな大事な大事な寿恵ちゃんを…園ちゃんも、離さんき!」と即答しています。
万太郎の操縦に慣れてきている?頼もしい寿恵子
結婚当初は万太郎の奔放すぎる生き方に不満を覚えることも多かった寿恵子。
しかしともに生活をしていく中で、寿恵子は万太郎という人間をかなり深く理解し始めているようです。
寿恵子は、基本的には万太郎を自由に羽ばたかせつつも要求すべき点はしっかりと要求するという、夫婦間のバランスの取り方(夫の操縦方法?)を会得しつつあります。かつて竹雄(志尊淳)が担っていた「最強の相棒」の役割を、いつの間にか寿恵子が受け継いでいるようですね。
こうしてより一層夫婦の絆を深めていく万太郎と寿恵子ですが、大きな試練が待ち構えているとは知る由もなく…。