NHK連続テレビ小説「らんまん」第16週・7月21日(金)放送の第80回では、棒手振りの及川福治の一人娘・小春(山本花帆)が母親不在の寂しさを寿恵子に吐露する姿が描かれています。
翌週の内容予告には福治がおゆうに本心を語る描写も見られるため、この日の放送の小春の発言が今後の何らかの伏線になる可能性があります。
母親不在の及川家 寂しさを抱える小春
長屋の住人・及川小春(山本花帆)は、棒手振りの商売で日銭を稼ぐ父・及川福治(池田鉄洋)との二人暮らし。普段は長屋の人たちに囲まれて楽しそうに暮らす小春ですが、お年頃の女の子であり、複雑な家庭環境に心を痛めることも多いようです。
7月20日(金)放送の第80回では、寿恵子(浜辺美波)の内職を手伝っていた小春がその寂しい胸の内を寿恵子に吐露しています。
自分のお腹の中で十月十日、大切に命を育んでいる寿恵子の姿を見た小春は、思わずお腹の赤ちゃんの気持ちになり、「わたしだったら生まれたくないなあ…。生まれたら自分の人生が始まっちゃうでしょ、おっかさんと切り離されて。」と呟いています。
小春の母は、棒手振りという儲からない商売を惰性で続ける福治に愛想をつかし、男を作って出て行ってしまったそう。そのため小春は母に捨てられたという気持ちが強く、両親にとっての「子はかすがい」になれなかった自分という存在を否定的に捉えているようです。
小春の胸の内を聞いた寿恵子は、小春の母が大切に小春を産み育てたはずであることや、小春の存在が福治をどれだけ助けているかを語っています。寿恵子の優しい言葉を聞いた小春は、涙が止まらなくなり…。
第17週で新展開…?子持ちの離婚経験者・福治とおゆう
「らんまん」物語のあらすじ
— 連続テレビ小説「らんまん」 (@asadora_nhk) July 20, 2023
第17週のあらすじを公開!
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これまであまり触れられて来なかった、小春の胸の内。この日の放送で描かれた小春の本心が、翌週以降のストーリーの伏線になる可能性があります。
翌第17週の7月25日(火)、26日(水)の内容予告文(NHK番組表)には、及川親子の問題解決の一歩目を予感させるような以下の記述があります。
7月25日(火)のあらすじ抜粋
ある日、ゆう(山谷花純)に誘われて、万太郎と倉木(大東駿介)、福治(池田鉄洋)らは4人で出かけることに…。道中、大きな池を見つけた万太郎は大興奮で植物採集を始める。
7月26日(水)のあらすじ抜粋
楽しそうに植物採集をする万太郎(神木隆之介)を見た福治(池田鉄洋)は、ゆう(山谷花純)に自分の胸の内を明かす。二人が話し込んでいると、倉木(大東駿介)の肩に乗って柳の実を採っていた万太郎が、バランスを崩し池に!!!と、その時、偶然にも不思議な水生植物を見つける。
ある日、ゆう(山谷花純)に誘われて大きな池へと立ち寄った万太郎、倉木、福治。少し不思議な組み合わせの4人ですが、どうやらゆうの知人女性の引っ越しの手伝いに男手が借り出され、その帰り道に池に立ち寄ったようです。
万太郎と倉木が植物採集に夢中になっている姿を横目に、福治はゆうに家庭が壊れてしまった心の内を語ります。
考えてみれば、ゆうは福治の元妻と少しだけ似た境遇(子供を置いたまま家を去ったという点で共通)にありますので、福治としても子供と離れ離れになった母親の気持ちを聞いてみたいのかも知れません。
【ゆうの過去とは?】
6月2日放送の第45回で、おゆうの過去が語られています。能登生まれで、地元の名主の息子に恋をしていたというゆう。その名主の息子には許嫁の女性がいたものの、想いを抑えきれなくなったゆうは一度だけ名主の息子と関係を持ったそうです。
結局その名主の息子は許嫁と結婚してしまったため、ゆうは逃げるように故郷を捨てて上京すると、そこで裕福な薬種問屋の旦那に見初められて結婚。子供を産んでいます。※この子供(男子)は名主との子か。
この薬種問屋がやがて他に女を作ったためゆうは離縁され、子供を残したまま家を去り、長屋にたどり着いています。
恋に怯む万太郎をけしかけ、研究生活に嫌気が差していた藤丸に喝を入れ、今度は福治の話に耳を傾け…。常に周囲の人を励まして奮い立たせる「人生相談おばさん」と化しているゆうですが、自身の人生は喪失感を抱えたまま宙ぶらりんの状態です。
「身の丈にあわねえ望みは不幸になる」と寿恵子に語っていた福治(※第72回)と、身の丈にあわない結婚の末に息子を奪われて独りになってしまったゆう。ともに結婚生活に失敗した二人が急接近する展開もあるのでは?と期待もふくらみますが、果たして…。
【7月26日追記】福治とゆうの会話のメモ。
二人は共に「子供の幸せが一番でそれ以上の望みはない」という共通の気持ちを池のほとりで語っています。その上で、万太郎一家が長屋に来て以来少し気持ちに変化が訪れていることも語りあっています。
「身の丈にあわねえ望みは不幸になる」と言って新しい幸せから逃げていた福治ですが、今以上の「人生上等」を目指してみるのもいいのかも、と感じ始めているようです。その気持ちはゆうも一緒。共に辛い離婚を経験し時間が止まっていた二人ですが、変化の時が訪れつつあるのかも知れません。
【8月14日追記】福治とゆうが結婚
その後、福治とゆうは結婚に至っています。娘の小春が女中奉公に出たタイミングで二人は長屋を出て新居生活を開始。小春はゆうのことを「おっかさん」と呼ぶようになっており、母親不在だった寂しさが少しずつ癒えているようです。
▼おゆうに誘われてなにげなく歩いた土手。万太郎はそこで世紀の大発見をして…。