「らんまん」岩崎弥之助(皆川猿時)が登場 牧野富太郎を借金から救った岩崎家

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NHK連続テレビ小説「らんまん」に三菱の創業者・岩崎弥太郎の弟にあたる岩崎弥之助(いわさき・やのすけ)が登場します。

万太郎のモデル・牧野富太郎は、借金を重ねた末に岩崎家に助けられるという経験をしており、このエピソードがドラマでも描かれる可能性があります。

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【らんまん】みえの料亭に出入り 土佐出身の実業家・岩崎弥之助

第21週では寿恵子(浜辺美波)がお金の相談をするために、叔母の笠崎みえ(宮澤エマ)が働く料亭を訪ねることになります。

物語の前半でも軽く触れられていましたが、みえは新橋の料亭「巳佐登(みさと)」で女将を務めています。みえの夫・笠崎太輔(遠山俊也)が江戸時代から続く名店を守っているようですね。

「巳佐登」には新政府の役人や大物財界人が通うため、みえの人脈は幅広いようです。寿恵子と結婚騒動を繰り広げた実業家・高藤(伊礼彼方)もそうした人脈で知り合った一人でしたね。

みえは高藤との一件で寿恵子の行動に憤慨していたようですが、それでも可愛い姪っ子であることにかわりはなく、ずっと寿恵子のことを気にかけていたようです。

金欠の相談を聞いたみえは、寿恵子に100円を貸す代わりに料亭で仲居として働くように進言(命令?)。さっそく店頭に立った寿恵子は、店に足繁く通う常連の大物実業家と出会うことになります。

その実業家とは、三菱を創業した岩崎弥太郎の弟にあたる岩崎弥之助(皆川猿時)。弥太郎が亡くなったため、今は弟である弥之助が三菱財閥を継いでいます。

▼第103回では、寿恵子があの「吉也」の娘だと知って弥之助が感激する様子も描かれています。

弥之助の提案で「菊くらべ」を開催 一等の報酬は500円!

岩崎弥之助はお気に入りの芸者・菊千代(華優希)にちなみ、座敷に菊の花を持ち寄って品評をする「菊くらべ」の開催を提案することになります。弥之助は一番良い菊を大隈重信にプレゼントしたいそうで、一等報酬として500円を出すとのこと。

これを聞いた寿恵子は、万太郎に頼んで持ってきてもらった素朴な白いノジギクを「菊くらべ」に出品しますが、客たちの反応はイマイチ。しかし、寿恵子からこの菊に込められた思いを聞いた弥之助は…。

牧野富太郎の自叙伝には以下のような岩崎家との関わりが言及されており、このエピソードがストーリー創作のモチーフになるかも知れません。

【史実】借金まみれの牧野富太郎を救った岩崎家

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万太郎のモデル人物である牧野富太郎は、1893年(明治26年)9月に帝国大学理科大学の助手に就任し、月俸15円でのサラリー生活に突入しています。※矢田部良吉教授により一度は大学への出入りを禁止された富太郎でしたが、矢田部氏が大学内で失脚して罷職した後に、松村任三教授(「らんまん」徳永教授のモデル)の手引きを受けて、大学助手の職を得ています。

1893年に長女の園子を失った富太郎ですが、その後は妻の壽衛子との間に毎年のように子供が誕生しています(夫妻の間には合計13人の子が生まれ、三男四女が無事に育った)。

しかし、15円の月給では貧乏子だくさん状態の家庭生活は維持できず、富太郎は高利貸しに手を出してしまいます。ちょっとだけ、と金を借りていたつもりが2,3年のうちに借金は2千円を突破。どうにも首が回らなくなってしまいます。
※月給15円ということは年収が180円。つまり借金2,000円は富太郎の年収約11年分!

そんな富太郎の心配をしてくれたのが、政治家の田中光顕、法学者の土方寧ら同郷である高知・佐川出身の有力者たちでした。

富太郎と同じ伊藤蘭林門下の先輩だった田中光顕は、同じく土佐から出て三菱財閥を築いた成功者である岩崎氏に話を通してくれたそうです。同郷のよしみなのでしょう、岩崎の本家は富太郎の借金2千円をきれいに支払ってくれたのだとか。
※牧野富太郎の自叙伝には「岩崎本家」とだけ記されていますが、この時に富太郎に手を差し伸べてくれたのが岩崎弥之助だとする説があります。

こうして一時的に身綺麗になり、再び自らの大事業達成のために走り出した富太郎ですが、今度は松村任三教授からの度重なる妨害工作を受けて昇給が抑えられ、再び借金生活へと突入。苦しい日々が続いていきます。

※岩崎弥之助は、1885年(明治18年)に兄の弥太郎が亡くなったことを受けて三菱財閥の2代目総帥に就任。三菱の経営多角化に尽力しています。1893年(明治26年)には三菱総帥の座を甥の久弥(弥太郎長男)に譲り、監務(相談役)の役職に就任。時系列的に、富太郎はこの数年後(明治30年代前半?)に岩崎家から恩を受けたと考えられます。
弥之助はほかにも第4代日本銀行総裁、貴族院議員などを務め、兄とともに土佐出身の代表的な実業家として名を残すと、1908年(明治41年)に57歳で亡くなっています。

岩崎弥之助を演じるのは皆川猿時 「あまちゃん」でおなじみ

史実を参考にすれば、借金に苦しむ万太郎一家に手を差し伸べる展開が予想される岩崎弥之助。演じるのは、福島県いわき市出身の52歳の俳優・皆川猿時(みながわ・さるとき)です。

人気劇団「大人計画」に所属し、個性的なキャラクターを武器にドラマや映画でも活躍を続けている皆川猿時。

ドラマ「ヤンキー君とメガネちゃん」「いだてん〜東京オリムピック噺〜」「あなたの番です」「アトムの童」や映画「なくもんか」「アフロ田中」「バクマン。」「弱虫ペダル」などの人気作に多数出演し、時にゲスな悪役、時に騒々しいおじさん役など個性豊かな役柄を演じる名脇役として、なくてはならない存在となっています。

NHK連続テレビ小説(朝ドラ)は、2003年の「こころ」で桜井幸子演じる錦鯉養殖業者の娘・村上由姫子の婚約者・星川護役で初出演。

2013年にはヒット作となった「あまちゃん」に北三陸高校潜水土木科教師「いっそん」こと磯野心平役で出演。ドラマのコミカルな世界観に見事にマッチし、朴訥かつ騒がしい田舎教師「いっそん」は人気キャラクターの一人となっています。

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