NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」第9週では、社会人として働き始めた歌子がある男性を意識していく姿が描かれていきます。
歌子の恋のお相手となりそうな会社員・花城真一(はなしろ・しんいち)を演じるのは、俳優の細田善彦(ほそだ・よしひこ)。智ニーニーとの恋をあきらめかけていた歌子は、優しい先輩・花城にほのかな恋心を抱いていきますが、思わぬ事実を知ってしまい…。
普久原運輸の社員・花城真一
高校を卒業し、地元の運送会社「普久原運輸」の事務職員として働き始めることになる比嘉家の末っ子・歌子(上白石萌歌)。
歌子はこの「普久原運輸」で新しい人達と出会って世界を広げていくことになりますが、中でも若手男性社員・花城真一(細田善彦)と親密になっていきそうです。
給湯室で歌子が歌う「翼をください」を聞いた花城は、病気で会社を休んでいた歌子を自宅に見舞うと、持参した音楽雑誌「音星(12月号・恋の歌特集)」を手土産として渡します。花城の思わぬ優しさを感じた歌子は、嬉しそうな表情を見せています。
智ニーニーへの恋心に終止符が打たれたのかどうかは定かではありませんが、歌子は新しい恋を経験していきそうです。とはいえ、歌子には相変わらず健康問題が横たわっており、会社を欠勤することが増えて…。
※(追記)その後、歌子は体調不良により「普久原運輸」を退職。歌子は退職の日に、花城が「経理の伊志嶺さん」と結婚するという事実を知って大きなショックを受けてしまいます。花城が持ってきてくれた雑誌「音星」もこの「経理の伊志嶺」さんのものだったと知り、ショックも更に増大。自身の体調不良も相まって、歌子はすっかり「闇落ち」をしてしまいます(第47回放送)。
幼少期から「智にーにー」一途だった歌子ですが、社会に出て新たな甘酸っぱい(苦い)恋を経験することになります。この恋の顛末が、奥手な歌子のその後の恋愛に大きな影を落としていきそうです。
御曹司?慶応出身の俳優・細田善彦
優しいのか無神経なのか、いまいち掴みどころのない先輩社員・花城真一。演じているのは、東京都出身の34歳の俳優・細田善彦(ほそだ・よしひこ)です。※年齢は放送当時。
東京・日本橋に本店を構える老舗の大手和菓子屋「榮太樓總本鋪」(従業員数は約300名。文政元年創業)を代々営む細田家に生まれた細田善彦。
父が「榮太樓總本鋪」の現社長を務め、本人は慶應義塾幼稚舎から慶應義塾大学商学部へと進学するなど、裕福な家系で生まれ育っています。
2004年にNTT東日本のCM「キャラクターDENPO」でデビューすると、2007年にドラマ「百鬼夜行抄」(日本テレビ)で主役・飯嶋律役、「ライフ」(フジテレビ)で悪役・佐古克己役を好演し、次第に注目を集める存在になっていきます。
その後も「エジソンの母」(2008年・TBS・久保裕樹役)、「あんどーなつ」(2008年・TBS・三津屋陽介役)、「Q10」(2010年・日本テレビ・中尾順役)、「逃げるは恥だが役に立つ」(2016年・TBS・森山ちがや役)、「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(2019年・日本テレビ・宮城遼一役)などの人気ドラマに次々出演。
NHK大河ドラマ「真田丸」(2016年)で北条氏直役、「青天を衝け」(2021年)で高松凌雲役を演じたほか、NHKドラマ10「デザイナーベイビー」(2015年・皆本順役)、「ミストレス〜女たちの秘密〜」(2019年・坂口新役)、「群青領域」(2021年・望月玲二役)などにも次々と起用され、NHKからも信頼の厚い俳優となっています。
今回「ちむどんどん」で演じた花城真一役は、どこか掴みどころのない飄々とした役柄でした。細田善彦自身も少し浮世離れ(?)した空気感をまとっており、今後個性的な役柄での起用が増えそうです。
▼主演映画「ピア〜まちをつなぐもの〜」では、ひょんなことから父が営む町医者を継ぐことになったエリート医師役を演じています。にじみ出る育ちの良さを活かした役柄のほかにも、時には悪役、時にはナイーブで屈折した青年役を演じるなど、細田善彦は幅のある演技を見せ続けています。