NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に登場する沖縄居酒屋「あまゆ」とイタリア料理店「アッラ・フォンターナ」の店名の意味などをまとめます。
それぞれ沖縄、イタリアの言葉が由来となっています。
横浜・鶴見の居酒屋「あまゆ」=甘い世
上京した暢子は、横浜・鶴見の沖縄県人会会長・平良三郎(片岡鶴太郎)の世話を受け、鶴見ハイサイ通りにある居酒屋兼沖縄料理屋「あまゆ」の二階の部屋を間借りすることになります。
「あまゆ」とは沖縄の言葉で「甘い世」=「苦しいことのない世界」のこと。
「あまゆ」という店名には「苦労の末に掴む幸せ」という意味が込められているそうです。沖縄一世である店主・金城順次(志ぃさー)や店に集まるウチナーンチュたちの人生観が凝縮された店名なのかも知れません。
※(余談)沖縄では、琉球が中国の冊封下にあった時代を「唐の世(とうのゆー)」、アメリカ統治時代を「アメリカ世(あめりかゆー)」、琉球処分・廃藩置県後の時代を「大和世(やまとゆー)」などと表現しますね。
イタリアンレストラン「アッラ・フォンターナ」=噴水で
暢子が働くことになる東京・銀座のイタリアンレストラン「アッラ・フォンターナ(Alla Fontana)」。
Alla(アッラ)はイタリア語の前置詞の「a」(~へ、~に、~で=場所・方向)と、女性名詞につく冠詞の「la」が結合した形で、英語で言う「to the〜」「in the〜」「at the〜」に近い感じでしょうか。
一方のFontana(フォンターナ)は、イタリア語で「噴水、泉」(女性名詞)の意味。「アッラ・フォンターナ(Alla Fontana)」で「噴水で」「泉にて」といった意味となります。
「アッラ・フォンターナ」のオーナー・大城房子(原田美枝子)は戦後の闇市の苦難を乗り越え、イタリアでの料理修行を経て銀座にレストランを開いた苦労人。イタリア修行時代の思い出の風景が店名に込められているのかも知れません。
「Alla Fontana」は現地イタリアのトラットリアの店名などとして実在しています。
#BuenasNoches🌹
— MaléficaReturns✍️ (@AliciaMimundo) May 11, 2022
Fontana di Trevi #Roma
(📸©️Mauro Pagliai) pic.twitter.com/JivyCHUKYp
サンセットバーガー → サンセットの名所・名護のハンバーガーショップ
沖縄・名護にあるという架空のハンバーガーショップ「サンセットバーガー」。意味はそのまんま「夕暮れバーガー」ですね。
名護は、町の西側に美しい名護湾が広がるサンセットの名所として知られます。海岸近くにはハンバーガーやルートビアを販売するアメリカ系チェーンのファストフード店「A&W名護店」(1963年に沖縄第1号店・屋宜原店が開業。名護店は1976年開業)をはじめとした人気ハンバーガー店や外国風カフェなどが点在し、アメリカ文化の香りと南国ビーチの雰囲気が人々を惹きつけます。
村育ちの良子(川口春奈)は、バスで心を踊らせながら夕日が美しい名護に通い、想い人の石川博夫(山田裕貴)と会っていたというわけです。名護の町の雰囲気や地理条件がわかると、良子にとってサンセットバーガーという店がいかに非日常の空間であるかがよくわかると思います。
ちむどんどん、名護に新しくできたハンバーガーショップってエンダー(A&W)のことかと思ったけどA&W名護店は1976年7月OPENらしいから違うか… 時々無性に行きたくなる。 pic.twitter.com/jy3shhWp6d
— Lani🦢 (@lani__h) April 26, 2022
▼名護からはだいぶ南になりますが、恩納村の海沿いにあるレトロなローカルファミレス「シーサイド ドライブイン」も有名。夕焼けを店内から一望できる人気の店で、NHK「ドキュメント72時間」の撮影場所にもなっています。