NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」1月11日放送の第49回で、「命短し恋せよ乙女」でおなじみの名曲「ゴンドラの唄」が登場しています。
「ゴンドラの唄」の登場シチュエーション、歌っていた佐川ミツオ（カムカムエヴリバディにも出演予定）について、「ゴンドラの唄」が登場した過去の朝ドラ作品などをまとめます。
ベリー「命短し恋せよ乙女」
憧れのジョー（オダギリジョー）を加山雄三の新作映画「ハワイの若大将」に誘うものの、「トミーと行ったら？」とあっさりと断られてしまう女子大生・ベリー（市川実日子）。
青春映画も恐怖映画も水族館も遊園地も、どこに誘ってもデートを断られてしまうベリーに対し、ジャズ喫茶「ナイト・アンド・デイ」の支配人・木暮（近藤芳正）は「押しが強すぎるんちゃう？」「控えめな態度を取ってみるとか」とアドバイスをしますが、ベリーはそういう「したたかな女」が大嫌いなようです。
ベリーは、いつも控えめで遠慮深いるい（深津絵里）が集配にやってくると、まさにるいが「したたかな女」であると食ってかかります。
ベリーは流行歌「ゴンドラの唄」の歌詞を引用し、「そんな女に私は負けへん。命短し恋せよ乙女や！」と対抗心を露わにします。
ジョーに恋心？るいも「恋する乙女」に…
わけもわからずベリーに言いがかりを付けられてしまったるい。洗濯物を届けにジョーの屋根裏部屋に向かうと、そこには熱心にトランペットの練習をするジョーの姿がありました。
音楽談義に花が咲く中、ジョーはトランペットを「吹いてみる？」とるいを誘います。るいはジョーに手取り足取り教わりながら初めてトランペットに触りますが、胸の高鳴りが抑えられなくなると、逃げるように帰ってしまいます。
その頃、一階のジャズ喫茶ではベリーの言葉に感化されたのか、木暮が佐川ミツオが歌う「ゴンドラの唄」のレコードを流しており…。
※「ゴンドラの唄」1番と4番（全4番）の歌詞を引用します。美しい乙女の儚さを歌ったもので、作詞は歌人、脚本家の吉井勇（1960年没）。
（1番）
いのち短し 恋せよ乙女
朱（あか）き唇 褪（あ）せぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に
明日の月日は ないものを
（4番）
いのち短し 恋せよ乙女
黒髪の色 褪せぬ間に
心のほのお 消えぬ間に
今日はふたたび 来ぬものを
佐川満男は「カムカムエヴリバディ」に出演予定
「命短し恋せよ乙女」の歌詞でおなじみの「ゴンドラの唄」は1915年（大正4年）に発表され、松井須磨子らが歌った大正時代のヒット曲です。
この日の放送に登場した歌手・佐川ミツオによる「ゴンドラの唄」は、歌謡界のリバイバル・ブームに乗って1961年（昭和36年）に発売されたものです。ドラマの時代設定は1962年ですので、ちょうど発売直後ということですね。
佐川ミツオはその後「佐川満男」の名で俳優としても活躍。佐川満男は「カムカムエヴリバディ」第12週（1月17日〜）あたりで東京の芸能事務所の社長・笹川光臣役で登場する予定です。
朝ドラに何度も登場「ゴンドラの唄」
「ゴンドラの唄」は、近作の朝ドラでもたびたび登場しています。ざっと思いつくものを挙げると以下の通り。
・「ごちそうさん」…（2013年）気が弱く口数少なかったヒロインの義妹・希子（高畑充希）が劇中で歌った「ゴンドラの唄」。当時女優として売出し中だった高畑充希の歌の上手さが知れ渡ったシーン。
・「マッサン」（2014年）…ヒロイン・エリーが、大正当時の流行歌としてたびたび口ずさんでいた「ゴンドラの唄」。エリーを演じたシャーロット・ケイト・フォックスは「ゴンドラの唄」で歌手デビューをしている。
・「ひよっこ」（2017年）…下宿「あかね荘」の管理人・富の若き日の恋。御曹司との切ない恋物語の回想とともに、BGMとして「ゴンドラの唄」が流れた。
・「わろてんか」（2018年）…芸人のリリコから相方のシローのことが気になっていると聞かされたヒロイン・てん（葵わかな）は「いくつになっても、おなごはおなごです」と言い、「ゴンドラの唄」を歌った。
・「エール」（2020年）…ヒロイン・音が、参加した音楽挺身隊で慰問先の人々と一緒に合唱するという企画を提案。その「合唱曲目案」二十曲の中に「ゴンドラの唄」があった。
