NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第16回(2021年11月22日)では、ヒロインの安子に待望の長女が誕生しています。
出征した夫・稔が書き残していった命名書「るい」に対する雉真家の反応が面白かったのでまとめておきます。
男でも女でも外国でも通用する名前「るい」
戦地への出征前、稔(松村北斗)は生まれてくる子供の命名書を書き残し、安子(上白石萌音)に託していました。
神社で安子にプロポーズをした時点で、すでに子供の名前を決めていたという稔。稔によれば、子供の名前は「男の子でも、おなごの子でも、外国でも通用する」普遍的なものとのこと。
なおかつ、「どこの国とも自由に行き来できる、どこの国の音楽でも自由に聴ける、自由に演奏できる。僕らの子供にゃあそんな世界を生きてほしい。ひなたの道を歩いてほしい」。そんな稔の願いを込めて、二人の大切な思い出である「ルイ・アームストロング」と「On the Sunny Side of the Street」から引用し、「るい」と名付けています。
命名「るい」に雉真家の反応は
るいが生まれたのは、本土への空襲も始まっていた昭和19年(1944年)のことでした。
雉真千吉(段田安則)が「おなごの子かあ、次は男の子が欲しいのう」などと無粋な発言をして勇(村上虹郎)からツッコまれてしまいますが、雉真家は初孫の誕生に湧き上がります。
稔から預かっていた「るい」の命名書を見た雉真一家の反応は以下の通り。何しろ戦時中のことですから、当時としては珍しい「るい」という名前に一同キョトンとしてしまいます。
安子「…るい。」
千吉、美都里「…るい!?」
千吉「なんじゃ、珍奇な名前じゃのー」
勇「わかった!野球の塁じゃ。一塁二塁三塁本塁の塁じゃ」
千吉「なんでそねえなもん、我が子の名前にするんだら」
勇「ええ名前じゃが。塁は攻撃側にも守備側にもいちばん大事なもんじゃ。みんなで塁を守るんじゃ」
美都里「まあ、ええじゃないですか、稔が付けた名前じゃから…」
本当の命名理由は二人だけの秘密…
時は米英を相手にした戦時中であり、娘の名前の由来がアメリカ人の「ルイ・アームストロング」だとは、安子は口が裂けても言えません。
安子は命名書を見た瞬間にこれが「ルイ・アームストロング」と「On the Sunny Side of the Street」を意味することを理解すると、心を交わしあった夫婦二人だけの大切な秘密として、胸のうちに秘めることにしたのです。
一方、得意分野の野球からの命名だと勘違いしてしまった勇。純粋な勇らしい微笑ましい一場面でしたが、この時に勇が発した「みんなで塁を守るんじゃ」という発言は、決してその場の軽いノリではなく、今後に重い意味を持っていきそう。
るいはやがて母・安子と決別し、一人残された雉真家で肩身の狭い思いをし続けることになります。そんなるいにとって、心優しい勇の存在はありがたいものになっていきそうです。