NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」に登場するヒロインの兄・比嘉賢秀(ひが・けんしゅう)のキャラクター、たどる人生などをまとめます。
一攫千金を夢見て失敗を繰り返した後、関東近郊の養豚場に転がり込むことになる賢秀ですが、果たして「真人間」となる日は来るのでしょうか。養豚場を営む猪野親子が賢秀にとっての救世主となるのか、今後の展開が楽しみです。
やんちゃな長男・賢秀
比嘉家の長男・比嘉賢秀(浅川大治→竜星涼)は、自由奔放な性格で腕っぷしが自慢。地道な努力や勉強が大の苦手で素行も悪いのですが、困っている人を見ると助けずにはいられない、心根の優しい男です。
第1週、2週では賢秀の少年時代(14歳)の姿が描かれていますが、とにかく落ち着きがありません。東京からの転校生・青柳和彦を「ヤマトンチュー」とからかったり、沖縄角力(すもう)で投げ飛ばしてみたりと、やんちゃ放題です。
▼少年期の賢秀を演じるのは、13歳の子役・浅川大治(あさかわ・だいじ)。ドラマ「この世界の片隅に」「ごめん、愛してる」「西郷どん」「大貧乏」などに出演。朝ドラ「エール」では、闇市で盗みをはたらく戦災孤児・ケン役で出演。
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— 連続テレビ小説「ちむどんどん」 (@asadora_nhk) April 17, 2022
賢秀の「マグネット・オーロラ スーパーバンド 一番星」
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家族のために一攫千金狙い トラブルメーカーに
父・賢三は亡くなる間際、「お母ちゃんとみんなを頼むよ」と言って長男である賢秀に家族のことを託しています。この父の言葉が、お気楽に生きていた賢秀の人生を変えていく(縛り付けていく?)ことになるかも知れません。
賢秀は苦労が絶えない母のため、そして可愛い妹たちのため、何とかカネを稼ごうと本人なりに躍起になっていきます。
とはいえ元来コツコツと努力することが苦手な賢秀ですから、簡単に人を信用して怪しい投資話に乗っかってみたり、プロボクサーを目指してリングに立ってみたり、暢子の所持金を盗んで競馬に賭けてみたり…。決して正攻法とは言えない方法で、一攫千金を狙っていきます。
そのたびに賢秀はトラブルを巻き起こしては家族をかき乱し、気がつくとすっとどこかへと消えてしまいます。いわゆる「フーテン」のような生活を繰り返していくようですね。
【追記】第6週で念願かなって上京することになる暢子。しかし、東京で身を寄せるはずだった賢秀が借金を残したまま行方不明になっていることを、賢秀が所属していたボクシングジムで知ることになります。困り果てた暢子は兄を探して横浜・鶴見にたどり着き…。
▼成長した賢秀を演じるのは、東京都出身の29歳の俳優・竜星涼(りゅうせい・りょう)。ドラマ「獣電戦隊キョウリュウジャー」「小さな巨人」「昭和元禄落語心中」「メゾン・ド・ポリス」などに出演。朝ドラ「ひよっこ」ではヒロイン・みね子と初々しいデートをする警察官・綿引正義役で出演。
\ ハイサイ! /
— 連続テレビ小説「ちむどんどん」 (@asadora_nhk) April 8, 2022
「#ちむどんどん 」まであと“3日”❣
暢子の兄・比嘉賢秀(ひがけんしゅう)役 #竜星涼 さん💙#朝ドラ #4月11日ちむどんどんスタート pic.twitter.com/MPL7BvyEyL
流浪の果てに養豚場へ 給料を前借りしたまま失踪
「沖縄の一番星になる」という野望を掲げ、流浪のダメ人生を歩んでいく賢秀。
家族を裏切り続け、借金を重ねたろくでないの人生の末に転がり込むのが、関東の近郊にあるという「猪野養豚場」です。
この小さな養豚場には、無礼な賢秀にもほとんど怒らない養豚経営者・猪野寛大(中原丈雄)と、その娘で天衣無縫な性格の清恵(佐津川愛美)が働いています。賢秀は器の大きい猪野寛大に迎え入れられ、清恵とは「丁々発止の口喧嘩」を繰り広げる仲になっていきます。
あくまで「腰掛けのアルバイト」として養豚場で働き始めたという賢秀。
やがて賢秀は寛大から給料を前借りしたまま「部(倍)にして返す」という置き手紙を残して養豚場から失踪すると、かつて投資詐欺を持ちかけられた男・我那覇と再タッグを組み、怪しい健康食品「紅茶豆腐」の販売ビジネスを開始。
案の定再び騙されてしまう賢秀ですが、懲りずに一攫千金を夢見つつ、養豚場でのアルバイトを再開することに。
賢秀は清恵とケンカを繰り返しながら、少しずつでありますが労働で対価を得る喜びを覚えていきそうです。やがて同じ屋根の下で働く清恵と互いに意識し合う間柄になっていきますが、清恵には賢秀に話せない暗い過去があるらしく、そう簡単に二人が一緒になるという展開にはなりません。
山っ気ばかりで仕事が長続きしない賢秀が、どのような形で自らの生きる道を見つけ、お世話になりまくった猪野養豚場に対して恩返しをするのか。ハチャメチャでろくでもない人生の中にあった賢秀ですが、猪野親子との関わりの中で、次第に希望の光を見出していきそうです。
賢秀のモデルは脚本家・羽原大介氏の父?
4姉妹を描いた名作文学「若草物語」(ルイザ・メイ・オルコット)や「細雪」(谷崎潤一郎)が物語着想のヒントになっているという「ちむどんどん」。
脚本を担当する羽原大介氏の父は、下に3人の妹がいる4兄妹の長男とのこと。羽原氏は、家族に迷惑をかけっぱなしのやんちゃな男だったという父の存在に着想を得ながら、比嘉賢秀というキャラクターを創作しているそうです。
ハチャメチャだけど家族への愛情は誰にも負けない…。どこか憎めないキャラクターである賢秀が、ドラマを存分にかき乱していきそうです。