NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第4週で描かれる岡山空襲。
当時の岡山の市街地のほとんどが焼けてしまった岡山空襲についてまとめるとともに、「カムカムエヴリバディ」登場人物のうち空襲で犠牲になってしまう人をまとめます。
1945年6月29日未明 突然の空襲
終戦も近づいていた昭和20年(1945年)。春先から米軍による大空襲が東京や大阪などで行われていましたが、陸軍兵舎・兵器廠や三菱航空機工場などがあった岡山もまた、空襲の対象都市となってしまいます。
突然の空襲が岡山を襲ったのは、昭和20年6月29日、午前2時43分から午前4時7分にかけての時間。当時の岡山には軍の下請けになっている多くの工場などがあり、米軍はこうした工場労働者を含めた一般市民をターゲットとし、無差別爆撃を行っています。
爆撃の中心は現在の「クレド岡山」付近 1737人が亡くなる
米軍が空襲の中心地と定めたのが、岡山駅と岡山城の中間あたり、現在の商業施設「クレド岡山」がある付近でした。
この一帯は岡山随一の商店街「表町商店街」などもあり、県都の中心といえる場所。「カムカムエヴリバディ」に登場する架空の商店街「朝丘町商店街」も、まさにこのあたりにあるという設定です。
あまりに突然の来襲で空襲警報も出せず、あっという間に焼き尽くされてしまったという岡山の街。わずか数時間の間に約95,000発の焼夷弾が投下されると、市街地の73%が焼け野原と化し、1737人の市民が亡くなっています。
国宝だった岡山城天守閣や蓮昌寺の伽藍など歴史ある文化財も一瞬のうちに破壊され、岡山の人たちは一晩にしてあまりに多くの物を失ってしまったのです。
▼空襲の中心ターゲットは、当時の岡山市役所などがあった「クレド岡山」付近(国道53号と県庁通りが交わるあたり)。安子が暮らす「朝丘町商店街」があるのも、この近辺という設定。
カムカムエヴリバディ 空襲で亡くなるのは…
「カムカムエヴリバディ」第4週、11月24日放送回の内容告知は以下のようになっています。残念ながら安子の大切な家族も、岡山空襲により亡くなってしまうようです。
空襲で、ひさ(鷲尾真知子)と小しず(西田尚美)を亡くした金太(甲本雅裕)は、空襲からひと月たっても床に伏せ続け、心と体は回復しないままでした。安子(上白石萌音)もまた、金太の世話をしながらも母と祖母の死を現実として受け入れられません。そして8月15日、ラジオからは玉音放送が流れ、日本は終戦を迎えました。ある日、安子はお供えのおはぎをつくろうと、金太にあんこの作り方を教えて欲しいと声をかけますが…
(NHK番組表の予告欄より引用)
この文面から、安子の祖母・ひさと、母・小しずが亡くなることは確定的。安子は焼夷弾が降る中で娘のるいをおぶって逃げ延び、父の金太も生き延びるようです。
※祖父の杵太郎は第3週後半に肺病により亡くなっています。算太や稔、菓子職人らは出征中で岡山にはおらず。父の金太は空襲は逃れますが、心労が重なり…。
また、「荒物屋あかにし」の主人・吉兵衛も空襲に巻き込まれ、息子の吉右衛門をかばって亡くなってしまうようです。
「水田屋とうふ」一家は空襲直前に京都に疎開すると発言しており、ギリギリで助かったようです。また、「ディッパーマウスブルース」は戦後にマスターがアメリカの歌を歌う姿が事前告知されており、恐らく無事でしょう。
第4週以降は御菓子司「たちばな」の再興の様子とともに、出征した算太や稔の安否も明かされていきそうです。事前予告の映像を見る限り、安子にさらなる悲しみが降り掛かっていきそうです。