カムカムエヴリバディ「実用英語会話」「基礎英語講座」モデルは戦前に実在したラジオ英語講座

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NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の劇中に登場するラジオ英語講座「実用英語会話」「基礎英語講座」についてまとめます。

後に登場する「英語会話(カムカム英語)」とあわせ、いずれも実在したラジオ英語講座がモチーフになっています。

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目次

憧れの人・稔の影響で「実用英語会話」に出会う

「カムカムエヴリバディ」第1週放送では、安子(上白石萌音)が憧れの大学生・稔(松村北斗)の影響を受けて、英語学習に興味を持ちはじめる過程が描かれていきます。

1939年(昭和14年)の夏のある日のこと。安子は、道端で外国人に道を聞かれて流暢な英語で答えてみせる稔の姿に驚きます。なぜそんなに英語が話せるのかと不思議そうな表情を見せる安子に対し、稔は「明日の朝、6時30分にラジオをつけてみて」と伝えます。

それは、稔が愛聴しているラジオ英語講座「実用英語会話」の放送時間でした。

「Goodmorning, everybody! みなさん、おはようございます。実用英語会話の時間です。講師のジェームズ・バーナード・ハリスです…」。

安子はラジオから流れるJ・B・ハリスの美しい英語の調べに引き込まれ、さっそくラジオを利用した英語学習を開始します。
「カムカムエヴリバディ」ロバート・ハリスが実父 J・B・ハリスのラジオ英語講座の声を担当

戦前に実在 NHKの「実用英語会話」

1925年(大正14年)3月22日。安子が生まれたちょうどその日に、東京放送局(現在のNHK)の第一声により、日本のラジオ放送の歴史が始まっています。

その4ヶ月後の1925年7月には、英語学者の岡倉由三郎を講師に迎えたラジオ番組「英語講座」がスタート。ラジオ受信機の急速な普及、英語教育の重要性の高まりを受けて、戦前の時代からラジオ英語講座は日本人に親しまれていきます。※他にもフランス語やドイツ語などの語学講座が戦前から放送されていました。

劇中で稔に勧められて安子が聞き始めた「実用英語会話」は、実用的な英会話を主題にした「夏季英語講座」(1934年)、「英語会話講座」(1935年〜)の後継番組。1938年に「英語会話講座」が「実用英語会話」と改称され、番組がスタートしています。

安子が稔に言われて「実用英語会話」を聞き始めたのが1939年の夏ですので、ちょうど放送開始から1年が経過した頃という計算になります。

戦争で放送縮小、ついに消滅 戦後に「カムカム英語」で復活

戦前に人気となったラジオ英語講座ですが、日中戦争、そして太平洋戦争へと突入していく時代の中で、次第に放送枠が減少していきます。

複数あった英語番組のうち、最後まで放送を貫いていた堀英四郎の番組「基礎英語」も、真珠湾攻撃が行われた1941年12月8日の朝を最後に、ラジオ第二放送の休止とともに終了してしまいます。
※劇中でも、安子が「実用英語会話」の放送終了により「基礎英語講座」を聞き始める様子が描かれます。安子が乗り換える番組「基礎英語講座」は、堀英四郎の「基礎英語」のことではないかと思います。

やがて岡山大空襲により町は焼け野原となり、玉音放送とともに終戦。

戦争で多くのものを失い失意の底にあった安子の耳に、「証城寺の狸囃子」のメロディに乗ってラジオから流れる「カム、カム、エヴリバディ〜♪」の歌声が響きます。それは、「カムカム英語」の愛称で親しまれることになる平川唯一によるラジオ英語講座「英語会話」の第1回の放送でした。

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